詩経 / 小雅・魚藻之什・白華
《白華》,周人刺幽后也。幽王取申女以為后,又得褒姒而黜申后,故下國化之,以妾為妻,以孽代宗,而王弗能治,周人為之作是詩也。 白華菅兮,白茅束兮。之子之遠,俾我獨兮! 英英白雲,露彼菅茅。天步艱難,之子不猶。 滮池北流,浸彼稻田。嘯歌傷懷,念彼碩人。 樵彼桑薪,卬烘于煁。維彼碩人,實勞我心。 鼓鍾于宮,聲聞于外。念子懆懆,視我邁邁。 有鶖在梁,有鶴在林。維彼碩人,實勞我心。 鴛鴦在梁,戢其左翼。之子無良,二三其德。 有扁斯石,履之卑兮。之子之遠,俾我疧兮。
新字:《白華》,周人刺幽后也。幽王取申女以為后,又得褒姒而黜申后,故下国化之,以妾為妻,以孽代宗,而王弗能治,周人為之作是詩也。 白華菅兮,白茅束兮。之子之遠,俾我独兮! 英英白雲,露彼菅茅。天歩艱難,之子不猶。 滮池北流,浸彼稲田。嘯歌傷懐,念彼碩人。 樵彼桑薪,卬烘于煁。維彼碩人,実労我心。 鼓鍾于宮,声聞于外。念子懆懆,視我邁邁。 有鶖在梁,有鶴在林。維彼碩人,実労我心。 鴛鴦在梁,戢其左翼。之子無良,二三其徳。 有扁斯石,履之卑兮。之子之遠,俾我疧兮。
書き下し
白華(はっか)は、周人幽后を刺るなり。幽王申の女(むすめ)を取りて以て后と為し、又褒姒(ほうじ)を得て申后を黜(しりぞ)く。故に下国これに化し、妾を以て妻と為し、孽(げつ)を以て宗に代え、而して王治むること能わず。周人これが為に是の詩を作るなり。 白華(はっか)は菅(かん)となり、白茅もて束ぬ。之(こ)の子の遠ざかる、我をして独りならしむ。 英英たる白雲、彼の菅茅を露(うるお)す。天歩艱難(かんなん)なり、之の子猶(はか)らず。 滮池(ひょうち)北に流れ、彼の稲田を浸す。嘯歌(しょうか)して懐(おも)いを傷ましめ、彼の碩人(せきじん)を念う。 彼の桑薪を樵(こ)りて、卬(われ)煁(しん)に烘(た)く。維(こ)れ彼の碩人、実に我が心を労す。 鍾(かね)を宮に鼓すれば、声外に聞こゆ。子を念いて懆懆(そうそう)たるに、我を視ること邁邁(まいまい)たり。 鶖(しゅう)有りて梁(やな)に在り、鶴有りて林に在り。維れ彼の碩人、実に我が心を労す。 鴛鴦(えんおう)梁に在り、其の左翼を戢(おさ)む。之の子良無く、其の徳を二三にす。 扁(へん)たる斯の石有り、これを履(ふ)めば卑(ひく)し。之の子の遠ざかる、我をして疧(や)ましむ。
現代語訳
「白華」の詩は、周の人々が幽王の后をそしったものである。幽王は申侯の娘を娶って后としたが、のちに褒姒(ほうじ)を得て申后を退けた。そのため諸侯の国々もそれに倣い、妾を正妻とし、庶子を嫡子に代えるようになったが、王はそれを正すことができなかった。周の人々は、そのためにこの詩を作ったのである。 白い花の菅(すげ)は刈られて、白い茅(ちがや)で束ねられる。それなのにあの人は遠ざかり、私を独りぼっちにする。 ふわふわと浮かぶ白い雲も、あの菅や茅を露で潤してやる。天の運びは苦難に満ちている、あの人は私を顧みようともしない。 滮池(ひょうち)の水は北へ流れて、あの稲田をうるおす。うそぶき歌っては胸を痛め、あの立派な人を思う。 あの桑の枝を柴に刈って、私は小さなかまどで焚くしかない。あの立派な人のことが、本当に私の心を苦しめる。 宮中で鐘を打てば、その音は外にまで聞こえる。あなたを思って心はざわめくのに、あなたは私を見ても冷たく素知らぬ顔をする。 はげこうは魚を捕る堰にいて、鶴は林の中にいる。あの立派な人のことが、本当に私の心を苦しめる。 おしどりは堰の上で、左の翼をたたんで寄り添っている。それなのにあの人には真心がなく、その心を二つにも三つにも変える。 平たいこの踏み石は、踏まれていよいよ低くなる。あの人は遠ざかり、私を病ませる。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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