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詩経 / 小雅・南有嘉魚之什・六月二

比物四驪,閑之維則。維此六月,既成我服。我服既成,于三十里。王于出征,以佐天子。 四牡脩廣,其大有顒。薄伐玁狁,以奏膚公。有嚴有翼,共武之服。共武之服,以定王國。 玁狁匪茹,整居焦穫。侵鎬及方,至于涇陽。織文鳥章,白旆央央。元戎十乘,以先啟行。 戎車既安,如輊如軒。四牡既佶,既佶且閑。薄伐玁狁,至于大原。文武吉甫,萬邦為憲。 吉甫燕喜,既多受祉。來歸自鎬,我行永久。飲御諸友,炰鼈膾鯉。侯誰在矣,張仲孝友。

新字:比物四驪,閑之維則。維此六月,既成我服。我服既成,于三十里。王于出征,以佐天子。 四牡脩広,其大有顒。薄伐玁狁,以奏膚公。有厳有翼,共武之服。共武之服,以定王国。 玁狁匪茹,整居焦穫。侵鎬及方,至于涇陽。織文鳥章,白旆央央。元戎十乗,以先啓行。 戎車既安,如輊如軒。四牡既佶,既佶且閑。薄伐玁狁,至于大原。文武吉甫,万邦為憲。 吉甫燕喜,既多受祉。来帰自鎬,我行永久。飲御諸友,炰鼈膾鯉。侯誰在矣,張仲孝友。

書き下し

比物(ひぶつ)四驪(しり)、之を閑(なら)わすに維(こ)れ則(のり)あり。維れ此の六月、既に我が服を成す。我が服既に成り、三十里に于(ゆ)く。王于(ここ)に出征し、以て天子を佐(たす)く。 四牡脩広(しゅうこう)にして、其の大いなること顒(ぎょう)たる有り。薄(いささ)か玁狁(けんいん)を伐ち、以て膚公(ふこう)を奏す。厳たる有り翼たる有り、武の服を共(つと)む。武の服を共め、以て王国を定む。 玁狁茹(はか)らず、焦穫(しょうかく)に整居す。鎬(こう)と方とを侵し、涇陽(けいよう)に至る。織文(しょくぶん)の鳥章、白旆(はくはい)央央(おうおう)たり。元戎(げんじゅう)十乗、以て先んじて行(みち)を啓く。 戎車既に安く、輊(ち)の如く軒の如し。四牡既に佶(きつ)たり、既に佶にして且つ閑(なら)えり。薄か玁狁を伐ち、大原に至る。文武なる吉甫(きっぽ)、万邦憲(のり)と為す。 吉甫燕喜し、既に多く祉(さいわい)を受く。来たりて鎬より帰る、我が行永く久し。諸友に飲御(いんぎょ)し、鼈(べつ)を炰(ほう)り鯉を膾(なます)にす。侯(こ)れ誰か在る、張仲(ちょうちゅう)孝友なり。

現代語訳

力のそろった四頭の黒馬は、法にかなってよく調教されている。この六月のうちに、われらの軍装はすっかり整った。軍装が整うと、一日三十里の道を進む。王はここに兵を出し、天子を助けさせる。 四頭の牡馬は背が高く体も大きく、堂々とした姿をしている。玁狁を討って、大きな手柄を奏上する。厳かで慎み深く、ともに軍務に励む。ともに軍務に励んで、王の国を安定させる。 玁狁は身のほどを考えず、焦穫(しょうかく)の地に陣を構えた。鎬(こう)と方(ほう)の地を侵し、涇水の北にまで至った。鳥の模様を織り出した旗、白い吹き流しが鮮やかにはためく。大型の兵車十台が、先頭に立って道を切り開く。 兵車はもう安定し、前が下がり、後ろが上がって釣り合いがとれている。四頭の牡馬はもう力強く、力強いうえによく慣れている。玁狁を討って、大原まで追い払った。文武を兼ね備えた尹吉甫(いんきっぽ)は、あらゆる国の手本となる。 吉甫は宴を開いて喜び、多くの福を受けた。鎬から帰ってきたが、われらの遠征はまことに長かった。友人たちに酒をふるまい、すっぽんを蒸し焼きにし、鯉をなますにする。その席にいるのは誰か、孝行で友愛深い張仲(ちょうちゅう)である。

解説

宣王の北伐を歌う六月の後半五章で、軍装を整えて一日三十里を進み、焦穫から鎬・方・涇陽まで侵入した玁狁を大原まで追い払い、凱旋して宴を開くまでが描かれる。遠征を率いた将は尹吉甫で、「文武なる吉甫、万邦憲と為す」と文と武を兼ねた手本としてたたえられる。毛詩序はこの詩を宣王中興の北伐とし、朱熹『詩集伝』も尹吉甫の北伐と凱旋を歌うものとして大きくは変わらない。青銅器の兮甲盤の銘文には、兮甲が王に従って玁狁を伐ったとあり、この兮甲を尹吉甫とみる説が有力である。宴の結びに、武功の将ではなく「孝友」の張仲の名を挙げるところに、戦の後に立ち返るべきは家と友の徳だという周の価値観が表れている。

この章句が説くこと

詩経宣王尹吉甫玁狁凱旋

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