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詩経 / 国風・唐風・山有枢

《山有樞》,刺晉昭公也。不能脩道以正其國,有財不能用,有鐘鼓不能以自樂,有朝廷不能洒埽,政荒民散,將以危亡。四鄰謀取其國家而不知,國人作詩以刺之也。 山有樞,隰有榆。子有衣裳,弗曳弗婁。子有車馬,弗馳弗驅。宛其死矣,他人是愉。 山有栲,隰有杻。子有廷內,弗洒弗埽。子有鐘鼓,弗鼓弗考。宛其死矣,他人是保。 山有漆,隰有栗。子有酒食,何不日鼓瑟?且以喜樂,且以永日。宛其死矣,他人入室。

新字:《山有枢》,刺晋昭公也。不能脩道以正其国,有財不能用,有鐘鼓不能以自楽,有朝廷不能洒埽,政荒民散,将以危亡。四鄰謀取其国家而不知,国人作詩以刺之也。 山有枢,隰有榆。子有衣裳,弗曳弗婁。子有車馬,弗馳弗駆。宛其死矣,他人是愉。 山有栲,隰有杻。子有廷内,弗洒弗埽。子有鐘鼓,弗鼓弗考。宛其死矣,他人是保。 山有漆,隰有栗。子有酒食,何不日鼓瑟?且以喜楽,且以永日。宛其死矣,他人入室。

書き下し

山有樞(さんゆうすう)は、晋の昭公を刺るなり。道を脩めて以て其の国を正すこと能わず、財有れども用うること能わず、鐘鼓有れども以て自ら楽しむこと能わず、朝廷有れども洒埽(さいそう)すること能わず、政荒れ民散じ、将に以て危亡せんとす。四隣其の国家を取らんことを謀れども知らず、国人詩を作りて以てこれを刺るなり。 山に樞(すう)有り、隰(さわ)に楡(にれ)有り。子に衣裳有れども、曳(ひ)かず婁(ひ)かず。子に車馬有れども、馳せず駆けず。宛(えん)として其れ死なば、他人是れ愉(たの)しまん。 山に栲(こう)有り、隰に杻(ちゅう)有り。子に廷内有れども、洒(そそ)がず埽(はら)わず。子に鐘鼓有れども、鼓(う)たず考(う)たず。宛として其れ死なば、他人是れ保(たも)たん。 山に漆有り、隰に栗有り。子に酒食有り、何ぞ日に瑟を鼓せざる。且つ以て喜楽し、且つ以て日を永くせん。宛として其れ死なば、他人室に入らん。

現代語訳

「山有樞」の詩は、晋の昭公をそしったものである。昭公は道を修めて国を正すことができず、財があっても用いることができず、鐘や太鼓があってもそれで楽しむことができず、朝廷があっても掃き清めることもできず、政治は荒れ、民は散り散りになって、国は滅びかけていた。四方の隣国がその国を奪おうと謀っているのに気づかないので、国の人々が詩を作ってそしったのである。 山には刺楡(とげにれ)があり、沢には楡(にれ)がある。あなたには衣裳があるのに、裾を引いて着ることもしない。あなたには車馬があるのに、走らせることも駆けさせることもしない。やがてあなたがあっけなく死んだら、ほかの誰かがそれを楽しむだろう。 山には山ごんずいがあり、沢にはもちの木がある。あなたには屋敷があるのに、水をまくことも掃くこともしない。あなたには鐘や太鼓があるのに、打つことも鳴らすこともしない。やがてあなたがあっけなく死んだら、ほかの誰かがそれを自分のものにするだろう。 山には漆の木があり、沢には栗の木がある。あなたには酒も食べ物もあるのに、どうして毎日瑟を奏でないのか。それで喜び楽しみ、それで一日を長く味わえばよいのに。やがてあなたがあっけなく死んだら、ほかの誰かがあなたの家に入り込むだろう。

解説

衣裳も車馬も、屋敷も鐘鼓も、酒も食べ物もあるのに、使わず楽しまずに死ねば、すべて他人のものになるだけだ、と歌う。前篇「蟋蟀」が楽しみすぎを戒めたのに対し、この詩は、持っているものを用いない者を責める。毛詩序は、晋の昭公が財を用いず、朝廷を整えず、政が荒れて民が散り、隣国に国を狙われているのにも気づかないことを国人がそしった詩と読む。朱熹は、前の「蟋蟀」の意に答えて、人生の短さを思って楽しむべきことを言った歌と見た。詩の言葉だけを読めば、ためこむばかりで生きることを楽しまない人への、率直な呼びかけである。財も時間も、用いてはじめて意味を持つ。惜しんで使わないまま終われば、それは他人のために守っていたにすぎない。

この章句が説くこと

詩経唐吝嗇人生晋

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