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詩経 / 国風・斉風・敝笱

《敝笱》,刺文姜也。齊人惡魯桓公微弱,不能防閑文姜,使至淫亂,為二國患焉。 敝笱在梁,其魚魴鰥。齊子歸止,其從如雲。 敝笱在梁,其魚魴鱮。齊子歸止,其從如雨。 敝笱在梁,其魚唯唯。齊子歸止,其從如水。

新字:《敝笱》,刺文姜也。斉人悪魯桓公微弱,不能防閑文姜,使至淫乱,為二国患焉。 敝笱在梁,其魚魴鰥。斉子帰止,其従如雲。 敝笱在梁,其魚魴鱮。斉子帰止,其従如雨。 敝笱在梁,其魚唯唯。斉子帰止,其従如水。

書き下し

敝笱(へいこう)は、文姜を刺るなり。斉人、魯の桓公の微弱にして、文姜を防閑(ぼうかん)すること能わず、淫乱に至らしめ、二国の患いと為るを悪(にく)む。 敝(やぶ)れたる笱(うえ)梁(やな)に在り、其の魚は魴(ほう)鰥(かん)。斉子帰(かえ)る、其の従(じゅう)雲の如し。 敝れたる笱梁に在り、其の魚は魴鱮(ほうしょ)。斉子帰る、其の従雨の如し。 敝れたる笱梁に在り、其の魚唯唯(いい)たり。斉子帰る、其の従水の如し。

現代語訳

「敝笱」の詩は、文姜をそしったものである。斉の人々は、魯の桓公が弱くて妻の文姜を取り締まることができず、淫らな行いに至らせ、斉と魯の二国のわざわいとなったことを憎んだのである。 破れた魚取りのうえが、やなに仕掛けてある。魴(ほう)も大魚の鰥(かん)も、自由に出入りする。斉の姫(文姜)が里帰りする、そのお供は雲のように多い。 破れた魚取りのうえが、やなに仕掛けてある。魴も鰱(れん)も、自由に出入りする。斉の姫が里帰りする、そのお供は雨のように多い。 破れた魚取りのうえが、やなに仕掛けてある。魚はすいすいと勝手に出入りする。斉の姫が里帰りする、そのお供は流れる水のように多い。

解説

破れた魚取りのうえをやなに仕掛けても、魚は自由に出入りしてしまう。そのように、夫の魯の桓公が妻の文姜を抑えられず、文姜は大勢の供を連れて里の斉へ帰っていく、とそしる詩である。毛詩序も朱熹も、この詩を文姜の里帰りと、それを止められない魯の君主への非難と読む点で一致している。前篇「南山」に続き、斉風には文姜をめぐる詩が「載驅」「猗嗟」と並んでおり、一つの事件がいかに国の人々の口にのぼったかがわかる。破れたうえのたとえは、形だけの規律では人の行いを止められない、という意味でも読める。雲・雨・水と、供の多さを重ねていく言葉には、華やかな行列を眺める民の冷ややかな目がある。上に立つ者の家の乱れは、必ず民に見られている。

この章句が説くこと

詩経斉文姜規律興

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