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詩経 / 国風・鄭風・有女同車

《有女同車》,刺忽也。鄭人刺忽之不昏于齊。大子忽嘗有功于齊,齊侯請妻之。齊女賢而不取,卒以無大國之助,至於見逐,故國人刺之。 有女同車,顏如舜華。將翱將翔,佩玉瓊琚。彼美孟姜,洵美且都! 有女同行,顏如舜英。將翱將翔,佩玉將將。彼美孟姜,德音不忘!

新字:《有女同車》,刺忽也。鄭人刺忽之不昏于斉。大子忽嘗有功于斉,斉侯請妻之。斉女賢而不取,卒以無大国之助,至於見逐,故国人刺之。 有女同車,顔如舜華。将翱将翔,佩玉瓊琚。彼美孟姜,洵美且都! 有女同行,顔如舜英。将翱将翔,佩玉将将。彼美孟姜,徳音不忘!

書き下し

有女同車は、忽(こつ)を刺(そし)るなり。鄭人、忽の斉に昏(こん)せざるを刺るなり。大子忽、嘗て斉に功有り、斉侯これに妻(めあわ)せんことを請う。斉女賢なるも取らず、卒(つい)に大国の助け無きを以て、逐わるるに至る。故に国人これを刺る。 女有り車を同じくす、顔は舜華(しゅんか)の如し。将(まさ)に翱(こう)し将に翔(しょう)せんとし、佩玉は瓊琚(けいきょ)。彼の美なる孟姜(もうきょう)は、洵(まこと)に美にして且つ都(みやび)やかなり。 女有り行(みち)を同じくす、顔は舜英の如し。将に翱し将に翔せんとし、佩玉将将(そうそう)たり。彼の美なる孟姜は、徳音忘れられず。

現代語訳

「有女同車」の詩は、鄭の太子忽(こつ)をそしったものである。鄭の人々が、忽が斉と婚姻を結ばなかったことをそしったのである。太子忽はかつて斉のために手柄を立て、斉侯は娘を妻にと申し出た。斉の娘は賢かったのに忽は娶らず、ついに大国の後ろ盾を得られないまま、国を追われるに至った。それで国の人々がこれをそしったのである。 車を同じくする娘がいる、その顔はむくげの花のよう。鳥が舞い立つように軽やかに歩めば、帯びた玉は美しい瓊琚(けいきょ)の玉。あの美しい姜家の長女(孟姜)は、まことに美しく、しかもみやびやか。 道を同じくする娘がいる、その顔はむくげの花びらのよう。鳥が舞い立つように軽やかに歩めば、帯びた玉がさやさやと鳴る。あの美しい孟姜の、よき評判は忘れられない。

解説

車に同乗する美しい娘を、むくげの花にたとえ、揺れる佩玉の音とともに讃える歌である。毛詩序は、鄭の太子忽が斉の娘との縁談を断り、大国の後ろ盾を失って国を追われたことをそしる詩と読み、「孟姜」をその斉の娘に当てる。『春秋左氏伝』桓公六年には、斉侯が娘を忽に娶せようとし、忽が「斉は大なり、吾が耦(つれあい)に非ず」と辞退したことが記されている。一方、朱熹『詩集伝』はこれを男女が道で連れ立つ歌と読み直した。詩の言葉だけを読めば、娘の容姿と、その評判が心に残って離れないという素直な讃美である。見た目の美しさと「徳音」、つまり人柄の評判を並べて歌うところに、古人が相手に何を求めたかが表れている。

この章句が説くこと

詩経鄭婚姻美人毛詩序

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