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詩経 / 国風・王風・中谷有蓷

《中谷有蓷》,閔周也。夫婦日以衰薄,凶年饑饉,室家相棄爾。 中谷有蓷,暵其乾矣。有女仳離,嘅其歎矣。嘅其歎矣,遇人之艱難矣。 中谷有蓷,暵其脩矣。有女仳離,條其歗矣。條其歗矣,遇人之不淑矣。 中谷有蓷,暵其濕矣。有女仳離,啜其泣矣。啜其泣矣,何嗟及矣。

新字:《中谷有蓷》,閔周也。夫婦日以衰薄,凶年饑饉,室家相棄爾。 中谷有蓷,暵其乾矣。有女仳離,嘅其嘆矣。嘅其嘆矣,遇人之艱難矣。 中谷有蓷,暵其脩矣。有女仳離,条其歗矣。条其歗矣,遇人之不淑矣。 中谷有蓷,暵其湿矣。有女仳離,啜其泣矣。啜其泣矣,何嗟及矣。

書き下し

中谷有蓷(ちゅうこくゆうたい)は、周を閔うるなり。夫婦日に以て衰薄(すいはく)し、凶年饑饉(ききん)あり、室家相棄つるのみ。 中谷(こくちゅう)に蓷(たい)有り、暵(かん)として其れ乾けり。女有り仳離(ひり)し、嘅(がい)として其れ歎く。嘅として其れ歎く、人の艱難に遇えり。 中谷に蓷有り、暵として其れ脩(かわ)けり。女有り仳離し、条(じょう)として其れ歗(うそぶ)く。条として其れ歗く、人の不淑に遇えり。 中谷に蓷有り、暵として其れ湿(かわ)けり。女有り仳離し、啜(てつ)として其れ泣く。啜として其れ泣く、何ぞ嗟(なげ)くとも及ばん。

現代語訳

「中谷有蓷」の詩は、周の衰えを悲しんだものである。夫婦の情は日に日に薄れ、凶作で飢饉が起こると、家族は互いに見捨て合うようになった。 谷間に益母草(やくもそう)が生えているが、日照りに焼かれて干からびている。夫に別れさせられた女がいて、深いため息をついて嘆いている。深いため息をついて嘆いている、人生の苦難に出遭ってしまったのだ。 谷間に益母草が生えているが、日照りに焼かれてからからに枯れている。夫に別れさせられた女がいて、長く息を吐いてうめいている。長く息を吐いてうめいている、薄情な人に出遭ってしまったのだ。 谷間に益母草が生えているが、日照りに焼かれてしおれきっている。夫に別れさせられた女がいて、しゃくりあげて泣いている。しゃくりあげて泣いている、今さら嘆いても取り返しはつかない。

解説

日照りで干からびた谷間の草を歌い起こし、飢饉の中で夫に捨てられた女性の嘆きを描く詩である。毛詩序は、周の衰えにより夫婦の情が日ごとに薄れ、凶作の年には家族が見捨て合うようになったことを悲しんだものとする。蓷は益母草とされ、女性の薬草として知られた草で、それが枯れてゆくさまが、捨てられた女性の身の上と重なる。三章を通じて、ため息から、うめき、すすり泣きへと嘆きが深まり、最後は「嘆いてももう遅い」と行き場を失う。第二章で相手を「不淑」(善からぬ人)と呼びながら、第一章ではまず「艱難」に遭ったと言うところに、夫だけを責められない飢饉の過酷さもにじむ。貧困や災害が家族の絆を最初に壊すという現実は、今の社会でも決して過去のものではない。

この章句が説くこと

詩経飢饉離縁女性周

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