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詩経 / 国風・鄘風・干旄

《干旄》,美好善也。衛文公臣子多好善,賢者樂告以善道也。 孑孑干旄,在浚之郊。素絲紕之,良馬四之。彼姝者子,何以畀之? 孑孑干旟,在浚之都。素絲組之,良馬五之。彼姝者子,何以予之? 孑孑干旌,在浚之城。素絲祝之,良馬六之。彼姝者子,何以告之?

新字:《干旄》,美好善也。衛文公臣子多好善,賢者楽告以善道也。 孑孑干旄,在浚之郊。素糸紕之,良馬四之。彼姝者子,何以畀之? 孑孑干旟,在浚之都。素糸組之,良馬五之。彼姝者子,何以予之? 孑孑干旌,在浚之城。素糸祝之,良馬六之。彼姝者子,何以告之?

書き下し

干旄(かんぼう)は、善を好むを美むるなり。衛の文公の臣子多く善を好み、賢者善道を以て告ぐるを楽しむなり。 孑孑(けつけつ)たる干旄、浚(しゅん)の郊に在り。素糸これを紕(ひ)し、良馬これ四つ。彼の姝(しゅ)たる者の子、何を以てかこれに畀(あた)えん。 孑孑たる干旟(かんよ)、浚の都に在り。素糸これを組み、良馬これ五つ。彼の姝たる者の子、何を以てかこれに予(あた)えん。 孑孑たる干旌(かんせい)、浚の城に在り。素糸これを祝(しょく)し、良馬これ六つ。彼の姝たる者の子、何を以てかこれに告げん。

現代語訳

「干旄」の詩は、善を好む心をたたえたものである。衛の文公の臣下には善を好む者が多く、賢者も喜んで善い道を説き聞かせた。 高々と掲げた旄牛(からうし)の尾の旗竿が、浚(しゅん)の町の郊外に来ている。白い糸で縁を飾り、良い馬を四頭立てて。あの立派なお方に、私は何を差し上げたらよいだろう。 高々と掲げた隼(はやぶさ)を描いた旗が、浚の町に来ている。白い糸で編んで飾り、良い馬を五頭立てて。あの立派なお方に、私は何を差し上げたらよいだろう。 高々と掲げた五色の羽の旗が、浚の城下に来ている。白い糸で束ねて飾り、良い馬を六頭立てて。あの立派なお方に、私は何を告げたらよいだろう。

解説

旗を立てた立派な車が浚の町にやって来て、賢者を訪ねる。訪ねられた賢者は、この方に何を差し上げ、何を告げたらよいかと思いめぐらす。そんな場面を歌った詩である。毛詩序は、衛の文公の臣下に善を好む者が多く、賢者も喜んで善い道を説いたことをたたえたものとする。干旄・干旟・干旌はいずれも竿の先に飾りをつけた旗で、身分の高い者の車であることを示す。馬の数が四・五・六と増え、旗の置かれる場所が郊外から町、城下へと近づいていくのは、訪問者の熱意が段々と深まるさまとも読める。滅亡から再建した文公の衛で、上に立つ者が自ら賢者のもとに足を運んだという姿は、人材を求める者の姿勢を示している。教えを乞いに来る人がいてこそ、知恵を持つ者も語る甲斐がある。

この章句が説くこと

詩経賢者善衛旗

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