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詩経 / 国風・鄭風・緇衣

《緇衣》,美武公也。父子並為周司徒,善於其職,國人宜之,故美其德,以明有國善善之功焉。 緇衣之宜兮,敝予又改為兮。適子之館兮,還予授子之粲兮。 緇衣之好兮,敝予又改造兮。適子之館兮,還予授子之粲兮。 緇衣之蓆兮,敝予又改作兮。適子之館兮,還予授子之粲兮。

新字:《緇衣》,美武公也。父子並為周司徒,善於其職,国人宜之,故美其徳,以明有国善善之功焉。 緇衣之宜兮,敝予又改為兮。適子之館兮,還予授子之粲兮。 緇衣之好兮,敝予又改造兮。適子之館兮,還予授子之粲兮。 緇衣之蓆兮,敝予又改作兮。適子之館兮,還予授子之粲兮。

書き下し

緇衣(しい)は、武公を美むるなり。父子並びに周の司徒と為り、其の職を善くす。国人これを宜しとし、故に其の徳を美めて、以て国を有(たも)つ者の善を善とするの功を明らかにするなり。 緇衣の宜しき、敝(やぶ)るれば予(われ)又改めて為(つく)らん。子の館に適(ゆ)き、還りて予子に粲(さん)を授けん。 緇衣の好(よ)き、敝るれば予又改めて造らん。子の館に適き、還りて予子に粲を授けん。 緇衣の蓆(おお)いなる、敝るれば予又改めて作らん。子の館に適き、還りて予子に粲を授けん。

現代語訳

「緇衣」の詩は、鄭の武公をたたえたものである。武公は父の桓公とともに相次いで周の司徒(民政をつかさどる大臣)となり、その職務をよく果たした。国の人々はこれをもっともなことと思い、その徳をたたえて、国を治める者が善い人を善いと認めて重んじることの功績を明らかにしたのである。 黒い朝服がよくお似合いだ。破れたら私がまた新しく仕立て直してさしあげよう。あなたの役所に出向き、戻ったら私があなたにごちそうをさしあげよう。 黒い朝服が立派でお似合いだ。破れたら私がまた新しく作り直してさしあげよう。あなたの役所に出向き、戻ったら私があなたにごちそうをさしあげよう。 黒い朝服がゆったりとお似合いだ。破れたら私がまた新しくこしらえてさしあげよう。あなたの役所に出向き、戻ったら私があなたにごちそうをさしあげよう。

解説

黒い朝服がよく似合うあの方に、破れたらまた仕立て直してさしあげよう、戻ったらごちそうをさしあげよう、と繰り返す詩である。毛詩序は、鄭の桓公と武公の父子が相次いで周の司徒となってよく職務を果たしたので、国の人々がその徳をたたえたものとする。緇衣は卿大夫が朝廷で着る黒い礼服で、それが「似合う」とは、その職にふさわしい人物だということである。衣を何度でも仕立て直そうというのは、その人にいつまでもその地位にいてほしいという願いの表れと読まれる。『礼記』緇衣篇には「賢を好むこと緇衣の如く、悪を悪むこと巷伯の如し」という言葉が見え、この詩は賢者を好む心の手本とされた。後世には、妻が夫の衣を繕い食事を用意する歌と読む説もある。ふさわしい人をその席に留めたいと願う心は、組織でも家庭でも変わらない。

この章句が説くこと

詩経賢者鄭礼記朝服

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