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詩経 / 国風・邶風・新台

《新臺》,刺衛宣公也。納伋之妻,作新臺於河上而要之。國人惡之,而作是詩也。 新臺有泚,河水瀰瀰,燕婉之求,籧篨不鮮。 新臺有洒,河水浼浼。燕婉之求,籧篨不殄。 魚網之設,鴻則離之。燕婉之求,得此戚施。

新字:《新台》,刺衛宣公也。納伋之妻,作新台於河上而要之。国人悪之,而作是詩也。 新台有泚,河水瀰瀰,燕婉之求,籧篨不鮮。 新台有洒,河水浼浼。燕婉之求,籧篨不殄。 魚網之設,鴻則離之。燕婉之求,得此戚施。

書き下し

新台は、衛の宣公を刺るなり。伋(きゅう)の妻を納(い)れんとし、新台を河上に作りてこれを要(むか)う。国人これを悪(にく)みて、是の詩を作るなり。 新台泚(し)たる有り、河水瀰瀰(びび)たり、燕婉(えんえん)をこれ求めしに、籧篨(きょじょ)鮮(よ)からず。 新台洒(さい)たる有り、河水浼浼(ばいばい)たり。燕婉をこれ求めしに、籧篨殄(た)えず。 魚網をこれ設くるに、鴻(こう)則ちこれに離(かか)る。燕婉をこれ求めしに、此の戚施(せきし)を得たり。

現代語訳

「新台」の詩は、衛の宣公を風刺したものである。宣公は息子の伋(きゅう)の妻となるはずの女性をわが妻にしようとし、黄河のほとりに新しい高殿を築いて彼女を迎えた。国の人々はこれを憎み、この詩を作ったのである。 新しい高殿はきらびやかに輝き、黄河の水は満々とたたえている。むつまじく麗しい夫を求めて来たのに、待っていたのは身をかがめられぬ醜い者、ろくでもない。 新しい高殿はそびえ立ち、黄河の水はゆったりと流れる。むつまじく麗しい夫を求めて来たのに、待っていたのは身をかがめられぬ醜い者、いつまでも死にもしない。 魚をとろうと網を仕掛けたのに、かかったのは大きな鳥(鴻)。むつまじく麗しい夫を求めて来たのに、手に入れたのはこの仰向けぬ醜い男。

解説

黄河のほとりの新しい高殿を歌い起こし、麗しい夫を夢見て嫁いで来た娘が、醜い老人をあてがわれたと嘆く形の詩である。毛詩序によれば、衛の宣公は太子伋のために斉から迎えた花嫁が美しいと聞き、河上に新台を築いて自分の妻にした。この女性が後の宣姜で、『左伝』桓公十六年にも宣公が伋のために娶った女性を自ら取ったことが記されている。籧篨(胸を折り曲げられない者)や戚施(仰向けない者)は、身体の不具合を借りた罵りの言葉で、宣公を指すと読まれる。魚を捕るつもりの網に鳥がかかるという比喩は、望んだものと得たものの取り違えを鋭く言う。国の人々が君主の醜行を正面から非難できず、嫁の嘆きに託して歌ったところに、民の歌の辛辣さがある。

この章句が説くこと

詩経衛宣公風刺婚姻

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