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詩経 / 国風・召南・騶虞

《騶虞》,《鵲巢》之應也。《鵲巢》之化行,人倫既正,朝廷既治,天下純被文王之化,則庶類蕃殖,蒐田以時,仁如騶虞,則王道成也。 彼茁者葭,壹發五豝。于嗟乎騶虞! 彼茁者蓬,壹發五豵。于嗟乎騶虞!

新字:《騶虞》,《鵲巣》之応也。《鵲巣》之化行,人倫既正,朝廷既治,天下純被文王之化,則庶類蕃殖,蒐田以時,仁如騶虞,則王道成也。 彼茁者葭,壱発五豝。于嗟乎騶虞! 彼茁者蓬,壱発五豵。于嗟乎騶虞!

書き下し

騶虞(すうぐ)は、鵲巣の応なり。鵲巣の化行われ、人倫既に正しく、朝廷既に治まり、天下純(もっぱ)ら文王の化を被れば、則ち庶類蕃殖(はんしょく)し、蒐田(しゅうでん)時を以てし、仁、騶虞の如くなれば、則ち王道成るなり。 彼の茁(さつ)たる者は葭(あし)、壱たび発して五豝(ごは)。于嗟乎(ああ)騶虞。 彼の茁たる者は蓬(よもぎ)、壱たび発して五豵(ごそう)。于嗟乎騶虞。

現代語訳

「騶虞」の詩は、「鵲巣」に応えて現れたしるしを歌ったものである。「鵲巣」に表された感化が行われ、人の道はすでに正しく、朝廷はすでに治まり、天下がことごとく文王の感化を受けると、あらゆる生き物が盛んに増え、狩りも季節にかなって行われ、その仁愛は騶虞(生き物を殺さない義獣)のようであった。そうなれば王道が完成するのである。 あの芽吹いた葦の茂みから、一度矢を放てば五頭の雌の猪が追い出される。ああ、騶虞よ。 あの芽吹いたよもぎの茂みから、一度矢を放てば五頭の子猪が追い出される。ああ、騶虞よ。

解説

召南の最後に置かれた詩で、芽吹いた葦やよもぎの茂みから獣が追い出され、一度の矢で五頭の猪が現れる狩りの場面を歌い、「于嗟乎騶虞」と嘆声で結ぶ。周南の麟之趾と対をなし、毛詩序は「鵲巣の応」、つまり召南の感化が行きわたった結果として現れたしるしと読んだ。毛伝は騶虞を、白い虎に黒い模様を持ち、生き物を食べない義獣と説明する。一方、「騶虞」を天子の狩り場の鳥獣をつかさどる役人の名とする説も古くからあり、その場合は狩りの役人をたたえる歌になる。『礼記』射義には、天子が射礼を行うとき騶虞の詩を節とし、「騶虞は楽官備わるなり」と記されている。鄭玄は、五頭を追い出させながら一度しか射ないところに、君主の仁心の極みを読んだ。獲り尽くさないことを仁とする古代の感覚は、自然との付き合い方として今も示唆に富む。

この章句が説くこと

詩経狩り騶虞仁召南

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