詩経 / 国風・召南・鵲巣
《鵲巢》,夫人之德也。國君積行累功以致爵位,夫人起家而居有之,德如鳲鳩,乃可以配焉。 維鵲有巢,維鳩居之。之子于歸,百兩御之。 維鵲有巢,維鳩方之。之子于歸,百兩將之。 維鵲有巢,維鳩盈之。之子于歸,百兩成之。
新字:《鵲巣》,夫人之徳也。国君積行累功以致爵位,夫人起家而居有之,徳如鳲鳩,乃可以配焉。 維鵲有巣,維鳩居之。之子于帰,百両御之。 維鵲有巣,維鳩方之。之子于帰,百両将之。 維鵲有巣,維鳩盈之。之子于帰,百両成之。
書き下し
鵲巣(じゃくそう)は、夫人の徳なり。国君、行いを積み功を累(かさ)ねて以て爵位を致す。夫人起家してこれに居り有(たも)つ。徳は鳲鳩(しきゅう)の如くして、乃ち以て配すべし。 維(こ)れ鵲(かささぎ)に巣有り、維れ鳩これに居る。之の子于き帰ぐ、百両これを御(むか)う。 維れ鵲に巣有り、維れ鳩これを方(たも)つ。之の子于き帰ぐ、百両これを将(おく)る。 維れ鵲に巣有り、維れ鳩これを盈(み)たす。之の子于き帰ぐ、百両これを成す。
現代語訳
「鵲巣」の詩は、諸侯の夫人の徳を歌ったものである。国君は善い行いを積み、功績を重ねて爵位を得た。夫人は他家から嫁いできて、そこに住まい、それを保つ。その徳が鳲鳩(しきゅう)という鳥のように一途であってこそ、君の伴侶にふさわしい。 かささぎが巣を作れば、鳩がそこに住まう。この娘がお嫁に行く、百台の車がこれを迎える。 かささぎが巣を作れば、鳩がそこを我が家とする。この娘がお嫁に行く、百台の車がこれを送る。 かささぎが巣を作れば、鳩がそこを満たす。この娘がお嫁に行く、百台の車で婚礼が整う。
解説
かささぎが苦労して作った巣に、鳩がやって来て住みつく。この景から歌い起こし、百台の車を連ねた盛大な嫁入りを祝う婚礼の歌である。召南の最初に置かれ、周南の関雎と対をなすとされた。毛詩序は、国君が功を積んで築いた家に、夫人が嫁いできてそれを保つことを、かささぎの巣に鳩が住むことにたとえ、夫人の徳を鳲鳩の一途さにたとえた。自分では巣を作らず他の鳥の巣に入る鳩の習性が、夫の家に入る花嫁の姿と重ねられている。「御う」「将る」「成す」と、迎え、送り、婚礼が成るまでを三章で追う構成も見事である。後世「鵲巣鳩占」という成語が生まれ、他人の地位を横取りする意味にも使われるようになったが、本来は祝福の歌である。築かれた家を受け継ぎ、満たしていく者への祝いの言葉として読みたい。
この章句が説くこと
詩経婚礼鵲召南夫人
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