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詩経 / 国風・周南・汝墳

《汝墳》,道化行也。文王之化行乎汝墳之國,婦人能閔其君子,猶勉之以正也。 遵彼汝墳,伐其條枚。未見君子,惄如調飢。 遵彼汝墳,伐其條肄。既見君子,不我遐棄。 魴魚赬尾,王室如燬。雖則如燬,父母孔邇。

新字:《汝墳》,道化行也。文王之化行乎汝墳之国,婦人能閔其君子,猶勉之以正也。 遵彼汝墳,伐其条枚。未見君子,惄如調飢。 遵彼汝墳,伐其条肄。既見君子,不我遐棄。 魴魚赬尾,王室如燬。雖則如燬,父母孔邇。

書き下し

汝墳(じょふん)は、道化の行わるるなり。文王の化、汝墳の国に行われ、婦人能く其の君子を閔(あわれ)みて、猶おこれを勉むるに正を以てするなり。 彼の汝墳に遵(したが)いて、其の条枚(じょうばい)を伐る。未だ君子を見ず、惄(でき)として調飢(ちょうき)の如し。 彼の汝墳に遵いて、其の条肄(じょうい)を伐る。既に君子を見れば、我を遐(とお)く棄てず。 魴魚(ほうぎょ)の赬(あか)き尾、王室燬(や)くが如し。則ち燬くが如しと雖も、父母孔(はなは)だ邇(ちか)し。

現代語訳

「汝墳」の詩は、文王の道による感化が行われたことを歌ったものである。文王の感化が汝水のほとりの国にまで及び、婦人は夫の苦労をいたわりながら、なお正しい道をもって夫を励ますことができた。 あの汝水の堤に沿って行き、木の枝や幹を切る。まだ夫に会えず、その思いは朝の空腹のように切ない。 あの汝水の堤に沿って行き、切り株から伸びた若枝を切る。ようやく夫に会えた。わたしを遠く見捨ててはいなかった。 おしきうおの尾は疲れて赤く、王室の乱れは火の燃えるように激しい。燃えるように激しくても、父母がすぐ近くにいることを忘れないで。

解説

汝水の堤で薪を切る妻が、行役に出た夫の帰りを待ちわび、ようやく再会した喜びを歌う。夫を待つ思いを「調飢」、朝食前の空腹にたとえる表現は、飢えるように人を恋うという古代の率直な言い回しである。第三章では、疲れて尾の赤くなった魚と、火のように乱れる王室を並べ、それでも父母がすぐそばにいるのだからと夫に語りかける。毛詩序は、文王の感化によって婦人が夫の労苦をいたわり、なお正しい道で励ました詩と読んだ。伝統的な注釈は、ここにいう王室の乱れを殷の紂王の暴政の時代のこととしている。国の混乱のさなかにあっても、家族のもとに帰ってきた人をいたわり、身近にいる者の存在を思い出させる。大きな時代の嵐の中で、家族の絆が人を支えるという姿が、三章の短い詩の中に描かれている。

この章句が説くこと

詩経夫婦再会行役汝水

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