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詩経 / 国風・周南・葛覃

《葛覃》,后妃之本也。后妃在父母家,則志在於女功之事,躬儉節用,服澣濯之衣,尊敬師傅,則可以歸安父母,化天下以婦道也。 葛之覃兮,施于中谷,維葉萋萋。黃鳥于飛,集于灌木,其鳴喈喈。 葛之覃兮,施于中谷,維葉莫莫。是刈是濩,為絺為綌,服之無斁。 言告師氏,言告言歸。薄汙我私,薄澣我衣。害澣害否,歸寧父母。

新字:《葛覃》,后妃之本也。后妃在父母家,則志在於女功之事,躬倹節用,服澣濯之衣,尊敬師傅,則可以帰安父母,化天下以婦道也。 葛之覃兮,施于中谷,維葉萋萋。黄鳥于飛,集于灌木,其鳴喈喈。 葛之覃兮,施于中谷,維葉莫莫。是刈是濩,為絺為綌,服之無斁。 言告師氏,言告言帰。薄汚我私,薄澣我衣。害澣害否,帰寧父母。

書き下し

葛覃(かったん)は、后妃の本(もと)なり。后妃、父母の家に在りては、則ち志は女功(じょこう)の事に在り、躬(み)ずから倹にして用を節し、澣濯(かんたく)の衣を服し、師傅(しふ)を尊敬す。則ち以て帰りて父母を安んじ、天下を化するに婦道を以てすべきなり。 葛(くず)の覃(の)びたる、中谷(ちゅうこく)に施(うつ)る、維(こ)れ葉萋萋(せいせい)たり。黄鳥于(ここ)に飛び、灌木に集まる、其の鳴くこと喈喈(かいかい)たり。 葛の覃びたる、中谷に施る、維れ葉莫莫(ばくばく)たり。是れ刈り是れ濩(に)て、絺(ち)と為し綌(げき)と為す、これを服して斁(いと)う無し。 言(ここ)に師氏(しし)に告げ、言に帰らんことを告ぐ。薄(いささ)か我が私(ふだんぎ)を汙(あら)い、薄か我が衣を澣(すす)ぐ。害(いず)れをか澣い害れをか否(せ)ざらん、帰りて父母を寧(やす)んぜん。

現代語訳

「葛覃」の詩は、后妃の根本を歌ったものである。后妃は父母の家にいたころ、心を女の仕事(機織りや裁縫)に向け、自ら倹約して出費を控え、洗いざらしの衣を着て、教育係を敬った。そうであればこそ、嫁いだ後も里帰りして父母を安心させ、婦人の道によって天下を感化することができるのである。 葛のつるがのびて、谷の中ほどまで広がり、その葉は青々と茂る。うぐいすが飛んできて、低い木々にとまり、その声はのどかに響く。 葛のつるがのびて、谷の中ほどまで広がり、その葉はこんもりと茂る。それを刈り取り、煮て繊維をとり、細い葛布も粗い葛布も織り上げ、身にまとって飽きることがない。 さあ、侍女頭(師氏)に申し上げて、里帰りのことを告げよう。普段着を少し洗い、晴れ着も少しすすごう。どれを洗い、どれをそのままにしようか。帰って父母を安心させよう。

解説

谷に伸びる葛と鳴き交わす鳥の景から歌い起こし、女性が葛を刈って煮て布に織り上げる労働、そして衣を洗って実家へ里帰りする支度までを三章で描く。毛詩序はこれを后妃が嫁ぐ前に身につけた勤勉と倹約の徳の詩とし、「澣濯の衣」、つまり洗いざらしの衣を着る質素さを強調した。朱熹『詩集伝』も后妃の自作と見るが、詩そのものから読めるのは、手仕事に励む若い妻が、晴れて里帰りの許しを得て心弾ませる姿である。嫁いだ娘が実家に帰って父母の安否を問うことを「帰寧」といい、この詩はその語の古い用例として知られる。自ら刈り、煮て、織った布を「これを服して斁う無し」と歌う満ち足りた感覚は、手間をかけて作ったものを大切に使う暮らしの喜びそのものである。

この章句が説くこと

詩経葛労働帰寧后妃

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