士規七則 / 第五則・第六則
一人不通古今、不師聖賢、則鄙夫耳、讀書尙友、君子之事也、一成德達材、師恩友益、居多焉、故君子愼交游、
新字:一人不通古今、不師聖賢、則鄙夫耳、読書尚友、君子之事也、一成徳達材、師恩友益、居多焉、故君子慎交游、
書き下し
一、人古今に通ぜず、聖賢を師とせずんば、則ち鄙夫のみ。書を読みて友を尚ぶは、君子の事なり。一、徳を成し材を達するは、師恩友益多きに居る。故に君子は交游を慎む。
現代語訳
人が古今の事に通じず、聖人賢人を師としないならば、つまらない人間にすぎない。書物を読んで古人を友とするのは、君子のすることである。徳を完成させ才能を伸ばすのは、師の恩と友の益によるところが大きい。だから君子は交わる相手を慎重に選ぶ。
解説
第五則と第六則は、学びと交わりを説きます。尚友とは『孟子』の言葉で、同時代の善い人を友とするだけでは足りず、書物を通して古人と語り合い、その人と時代を知ることです。そして、人の徳と才を伸ばすものの多くは師の恩と友の助けだから、誰と交わるかを慎めと続けます。朱に交われば赤くなる、です。野山獄で囚人たちと学び合い、のちに松下村塾で身分を問わず若者を集めた松陰は、人は人によって育つことを誰よりも知っていました。読む本と付き合う人が自分をつくる、という今にも通じる戒めです。
この章句が説くこと
読書尚友師友交友学問
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