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史記 / 田単列伝

乃迎襄王於莒,入臨菑而聽政。襄王封田單,號曰安平君。

新字:乃迎襄王於莒,入臨菑而聴政。襄王封田単,号曰安平君。

書き下し

乃ち襄王を莒に迎へ、臨菑に入りて政を聴く。襄王、田単を封じ、号して安平君と曰ふ。

現代語訳

そこで(湣王の子の)襄王を莒から迎え、都の臨菑に入って政治を執らせた。襄王は田単に領地を与え、安平君と号した。

解説

斉の国土を取り戻した田単が、自ら王を名乗らず、莒に逃れていた湣王の子を迎えて都に戻す短い段です。一介の市場役人から将軍となり、七十余城を回復した功績を思えば、自立を勧める声があっても不思議ではありません。前の段で田単は、楽毅が斉王になろうとしているという噂を流して敵将を失脚させましたが、その噂の中身を自分が実行することはしませんでした。襄王はその功に報いて安平君の号を与えます。安平はかつて田単が鉄籠の工夫で一族を救った町で、その名を冠したところに因縁が感じられます。大きな成果を上げた人が、その成果を私物化せず本来の持ち主に返すことで、かえって信頼と地位を確かなものにする。組織の立て直しを任された人にとっても、最後の身の処し方は成果と同じくらい重く見られます。

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