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史記 / 夏本紀

禹乃遂與益、后稷奉帝命,命諸侯百姓興人徒以傅土,行山表木,定高山大川。

新字:禹乃遂与益、后稷奉帝命,命諸侯百姓興人徒以傅土,行山表木,定高山大川。

書き下し

禹乃ち遂に益・后稷と帝命を奉じ、諸侯百姓に命じて人徒を興して以て土を傅けしめ、山を行きて木を表し、高山大川を定む。

現代語訳

禹はそこで益・后稷とともに帝の命を奉じ、諸侯や民に命じて人夫を動員させて土を盛り(堤を築き)、山を巡っては木に目印を刻み、高い山と大きな川を測って定めた。

解説

禹が治水に着手した最初の一歩を記した短い段です。禹はまず益と后稷という仲間とともに、帝の命令を掲げて諸侯と民を動員しました。そして山を歩いて木に目印を刻み、どの山が高く、どの川が大きいかを見定めます。いきなり堤を築くのではなく、まず地形を測量して全体図をつかむところから始めているのです。父の鯀は水をせき止める方法で失敗したと伝えられますが、禹は地形を知ったうえで水の通り道をつくる方法をとりました。この違いの出発点が、ここにある測量です。大きな仕事を任されたとき、つい目の前の問題から手をつけたくなります。しかし禹のように、まず全体の地形を歩いて確かめ、目印を置き、何が高く何が大きいかを定めることが、長い事業を正しい方向に導きます。現状把握と見える化が、改革の最初の仕事なのです。

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