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司馬法 / 嚴位

自子以不循,爭賢以為,人說其心,效其力。

新字:自子以不循,争賢以為,人説其心,効其力。

書き下し

自ら子(よ)するに循わざるを以てし、賢を争うに以て為し、人其の心を説(よろこ)ばしめ、其の力を效(いた)す。

現代語訳

(譲り合えば和し、人は自然と打ち解ける。)自分のこととしては(功を)受けないようにし、賢さを競うのは(他人の)ためにする。そうすれば人は心から喜び、その力を尽くす。

解説

譲り合えば和し、人は自然と打ち解ける、という直前の句に続く一節である。字句に乱れがあるとされ、解釈の分かれる難しい箇所だが、おおむね、自分は功や利を受けようとせず、賢さを競うにしても人のために行えば、人は心から喜んで力を尽くす、という意味に読まれている。天子之義篇で説かれた、上下ともに手柄を誇らない譲の精神が、ここでは兵を心服させる方法として語られている。賞罰や威によって人を動かすのではなく、上に立つ者が自ら退くことで人の力を引き出すという考えは、仁を根本に置く司馬法の一貫した姿勢である。チームを率いる人が成果を自分のものにせず、メンバーの成長のために知恵を使えば、人はその姿を見て自ら動き出す。

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