司馬法 / 嚴位
凡鼓:鼓旌旗,鼓車,鼓馬,鼓徒,鼓兵,鼓首,鼓足,鼓兼齊。凡戰:既固勿重,重進勿盡,凡盡危。凡戰:
新字:凡鼓:鼓旌旗,鼓車,鼓馬,鼓徒,鼓兵,鼓首,鼓足,鼓兼斉。凡戦:既固勿重,重進勿尽,凡尽危。凡戦:
書き下し
凡そ鼓は、旌旗に鼓し、車に鼓し、馬に鼓し、徒に鼓し、兵に鼓し、首に鼓し、足に鼓し、兼ね斉(ととの)うるに鼓す。凡そ戦いは、既に固ければ重ぬること勿く、重ねて進むも尽くすこと勿かれ、凡そ尽くせば危うし。凡そ戦いは、
現代語訳
およそ太鼓の合図には、旗を動かす合図、兵車を動かす合図、騎馬を動かす合図、歩兵を動かす合図、兵器を構えさせる合図、頭の向きを変えさせる合図、足並みを進めさせる合図、そして全体をそろえる合図がある。およそ戦いでは、すでに陣が固ければそれ以上重ねて固めず、重ねて進むにしても力を出し尽くしてはならない。およそ出し尽くせば危うい。およそ戦いでは、(陣を布くことが難しいのではなく……)
解説
前半は太鼓による合図の種類を並べたもので、旗、兵車、騎馬、歩兵、兵器、首の向き、足並み、全体の整列と、合図が細かく分かれていたことがわかる。数万の兵を声で動かすことはできないから、太鼓と旗が軍の言葉だった。周の軍制を伝える司馬法ならではの具体的な記録である。後半は、陣がすでに固ければ重ねて固めるな、進むにしても力を尽くしきるな、尽くせば危うい、と戒める。余力を残すことが次の変化への備えになるという考えで、孫子が勢いを説きつつも無理な深入りを戒めるのと通じる。仕事でも、全員が全力を出し切っている状態は美しく見えて、実は想定外の事態に何も対応できない危うい状態である。合図の仕組みを整え、余力を残す段取りこそが、組織を長く動かす。
関連する章句
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司馬法・用眾凡そ戦いは、先んずれば則ち弊(つか)れ、後るれば則ち懾(おそ)れ、息(いこ)えば則ち怠り、息わざるも亦弊れ、息うこと久しきも亦其の懾に反る。
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司馬法・嚴位凡そ戦いの道は、教約なれば人死を軽んじ、道約なれば人正に死す。凡そ戦いは、勝つが若く否ざるが若く、天の若く人の若し。凡そ戦いは、三軍の戒めは、三日を過ぐること無く、一卒の警めは、分日を過ぐること無く、一人の禁は、皆息(いこ)うを過ぐること無し。
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司馬法・嚴位凡そ戦いの道は、道義を等しくし、卒伍を立て、行列を定め、縦横を正し、名実を察す。立ちて進むには俯し、坐して進むには跪く。畏るれば則ち密にし、危うければ則ち坐す。遠き者は之を視れば則ち畏れず、邇(ちか)き者は視ること勿ければ則ち散ぜず。位下れば、左右下り、甲坐し、誓いて徐(おもむろ)に之を行う。位は徒甲に逮(およ)び、籌(はか)るに軽重を以てし、馬を振るい徒甲を譟(さわ)がしめ、畏るれば亦た之を密にす。跪坐坐伏すれば、則ち膝行して寛(ゆる)やかに之に誓う。起ちて譟ぎ鼓して進めば、則ち鐸を以て之を止む。枚を御(ふく)み糗(きゅう)を誓い、坐して膝行して之を推し、戮を執りて顧みるを禁じ、譟ぎて以て之に先んず。若し畏るること太甚しければ、則ち戮殺すること勿く、示すに顔色を以てし、之に告ぐるに生くる所を以てし、其の職を循(めぐ)り省みよ。凡そ三軍、人戒むること分日、人禁ずること息(や)まざれば、以て食を分かつべからず、其の疑惑に方(あた)りては、師とすべく服せしむべし。凡そ戦いは、力を以て久しく、気を以て勝つ。固きを以て久しく、危うきを以て勝つ。本心固く、新気勝ち、甲を以て固く、兵を以て勝つ。凡そ車は密なるを以て固く、徒は坐するを以て固く、甲は重きを以て固く、兵は軽きを以て勝つ。
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司馬法・嚴位凡そ戦いは、敬すれば則ち慊(こころよ)し、率(そつ)すれば則ち服す。
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司馬法・嚴位上煩わしければ軽く、上暇あれば重し。鼓を奏すること軽く、鼓を舒(の)ぶること重し。膚に服すれば軽く、美に服すれば重し。凡そ馬車堅く、甲兵利なれば、軽も乃ち重し。上同じければ獲ること無く、上専らなれば死すること多く、上生くれば疑うこと多く、上死すれば勝たず。
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司馬法・嚴位凡そ戦いは、其の微静を撃ち、其の強静を避く。其の倦労を撃ち、其の閑窕を避く。其の大懼を撃ち、其の小懼を避く。
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