司馬法 / 定爵
立法:一曰受;二曰灋;三曰立;四曰疾;五曰御其服;六曰等其色;七曰百官無淫服。凡軍,使灋在己曰專,與下畏法曰法。軍無小聽,戰無小利,日成行微,曰道。凡戰正不行則事專,不服則法,不相信則一。若怠則動之,若疑則變之,若人不信上,則行其不復。自古之政也。
新字:立法:一曰受;二曰灋;三曰立;四曰疾;五曰御其服;六曰等其色;七曰百官無淫服。凡軍,使灋在己曰専,与下畏法曰法。軍無小聴,戦無小利,日成行微,曰道。凡戦正不行則事専,不服則法,不相信則一。若怠則動之,若疑則変之,若人不信上,則行其不復。自古之政也。
書き下し
法を立つるは、一に曰く受、二に曰く法、三に曰く立、四に曰く疾、五に曰く其の服を御(おさ)む、六に曰く其の色を等しくす、七に曰く百官に淫服無し。凡そ軍は、法をして己に在らしむるを専と曰い、下と与に法を畏るるを法と曰う。軍に小聴無く、戦いに小利無く、日に成り微に行う、道と曰う。凡そ戦いに正行われざれば則ち事専らにし、服せざれば則ち法あり、相信ぜざれば則ち一にす。若し怠れば則ち之を動かし、若し疑えば則ち之を変じ、若し人上を信ぜざれば、則ち其の復せざるを行う。古よりの政なり。
現代語訳
(治乱の道には仁・信・直・一・義・変・尊の七つがあり、)法を立てるには、一に受(人々が受け入れること)、二に法(規定を明らかにすること)、三に立(確立すること)、四に疾(速やかに行うこと)、五にその服装を統御すること、六に(身分に応じて)その色を等級づけること、七に百官に分をこえたみだらな服装をさせないこと、である。およそ軍では、法を自分一人の手に握るのを専といい、下の者とともに法を畏れ守るのを法という。軍では細かな言葉に耳を貸さず、戦では小さな利を追わず、日々に成し遂げ、ひそかに事を行う。これを道という。およそ戦いで正しいやり方が行われないなら、事を専断し、服従しないなら法で臨み、互いに信じ合わないなら一つにまとめる。もし怠っているなら奮い立たせ、疑っているなら方針を変え、人が上を信じないなら、一度出した命令は取り消さずに行う。これが古からの政治である。
解説
関連する章句
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司馬法・定爵国に居りては和し、軍に在りては法あり、刃上には察す。国に居りては好を見し、軍に在りては方を見し、刃上には信を見す。凡そ陳は、行くには惟れ疏(そ)に、戦うには惟れ密に、兵は惟れ雑う。人の教え厚ければ、静かにして乃ち治まり、威利章(あき)らかなり。相守るに義あれば、則ち人勉め、慮多く成れば、則ち人服す。時中に服し、厥の次治まる。物既に章らかなれば、目乃ち明らかなり。慮既に定まれば、心乃ち強し。進退に疑い無く、敵を見て謀る無し。誅を聴きては、其の名を誰(と)うこと無く、其の旗を変うること無かれ。凡そ事は、善なれば則ち長く、古に因れば則ち行われ、誓い作(おこ)りて章らかなれば、人乃ち強く、厲祥を滅ぼす。厲を滅ぼすの道は、一に曰く義、之を被(おお)うに信を以てし、之に臨むに強を以てし、基を成し、天下の形を一にし、人説ばざる莫し、是れを兼ねて其の人を用うと謂う。一に曰く権、其の溢るるを成し、其の好むところを奪い、我は其の外よりし、自ら其の内よりせしむ。一に曰く人、二に曰く正、三に曰く辞、四に曰く巧、五に曰く火、六に曰く水、七に曰く兵、是れを七政と謂う。栄、利、恥、死、是れを四守と謂う。容色積威は、意を改むるに過ぎず、凡そ此れ道なり。唯だ仁のみ親しむ有り、仁有りて信無ければ、反って厥の身を敗る。人は人とし、正は正とし、辞は辞とし、火は火とす。凡そ戦いの道は、既に其の気を作し、因りて其の政を発し、之に仮すに色を以てし、之を道(みちび)くに辞を以てし、懼れに因りて戒め、欲に因りて事とし、敵を蹈み地を制し、職を以て之に命ず、是れを戦法と謂う。凡そ人の形は、衆の求むるに由り、試みるに名行を以てし、必ず善く之を行う。若し行わんとして行わざれば、身以て之を将い、若し行わんとして行えば、因りて忘るること勿からしめ、三たびして乃ち章を成す。人生の宜しき、之を法と謂う。
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司馬法・定爵凡そ乱を治むるの道は、一に曰く仁、二に曰く信、三に曰く直、四に曰く一、五に曰く義、六に曰く変、七に曰く尊。
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司馬法・嚴位凡そ戦いの道は、道義を等しくし、卒伍を立て、行列を定め、縦横を正し、名実を察す。立ちて進むには俯し、坐して進むには跪く。畏るれば則ち密にし、危うければ則ち坐す。遠き者は之を視れば則ち畏れず、邇(ちか)き者は視ること勿ければ則ち散ぜず。位下れば、左右下り、甲坐し、誓いて徐(おもむろ)に之を行う。位は徒甲に逮(およ)び、籌(はか)るに軽重を以てし、馬を振るい徒甲を譟(さわ)がしめ、畏るれば亦た之を密にす。跪坐坐伏すれば、則ち膝行して寛(ゆる)やかに之に誓う。起ちて譟ぎ鼓して進めば、則ち鐸を以て之を止む。枚を御(ふく)み糗(きゅう)を誓い、坐して膝行して之を推し、戮を執りて顧みるを禁じ、譟ぎて以て之に先んず。若し畏るること太甚しければ、則ち戮殺すること勿く、示すに顔色を以てし、之に告ぐるに生くる所を以てし、其の職を循(めぐ)り省みよ。凡そ三軍、人戒むること分日、人禁ずること息(や)まざれば、以て食を分かつべからず、其の疑惑に方(あた)りては、師とすべく服せしむべし。凡そ戦いは、力を以て久しく、気を以て勝つ。固きを以て久しく、危うきを以て勝つ。本心固く、新気勝ち、甲を以て固く、兵を以て勝つ。凡そ車は密なるを以て固く、徒は坐するを以て固く、甲は重きを以て固く、兵は軽きを以て勝つ。
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司馬法・仁本敵若し之を傷つけば、医薬して之を帰せ」と。既に有罪を誅すれば、王及び諸侯其の国を修正し、賢を挙げ明を立て、厥(そ)の職を正し復す。王・覇の諸侯を治むる所以の者は六。土地を以て諸侯を形し、政令を以て諸侯を平らげ、礼信を以て諸侯を親しみ、材力を以て諸侯を説(よろこ)ばし、謀人を以て諸侯を維(つな)ぎ、兵革を以て諸侯を服す。
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司馬法・定爵凡そ戦いは、爵位を定め、功罪を著し、遊士を収め、教詔を申ね、厥(そ)の衆に訊(と)い、厥の技を求め、慮を方(なら)べ物を極め、嫌を変じ疑を推し、力を養い巧を索め、心の動くに因る。凡そ戦いは、衆を固くし、利を相(み)、乱を治め、進止し、正に服し、恥を成し、法を約にし、罰を省く。小罪も乃ち殺す。小罪勝てば、大罪因る。天に順い、財を阜(おお)くし、衆を懌(よろこ)ばし、地を利し、兵を右(たっと)ぶ、是れを五慮と謂う。天に順うには時を奉じ、財を阜くするには敵に因り、衆を懌ばすには勉めて若(したが)わしめ、地を利するには隘を守り険阻にし、兵を右ぶには弓矢もて禦ぎ、殳(しゅ)矛もて守り、戈戟もて助く。凡そ五兵は五当す、長きは以て短きを衛り、短きは以て長きを救い、迭(たが)いに戦えば則ち久しく、皆戦えば則ち強し。物を見ては与に侔(ひと)しくす、是れを両之と謂う。主は固く勉めて若わしめ、敵を視て挙ぐ。将の心は心なり、衆の心は心なり、馬牛車兵は佚し飽かしむるが力なり。
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司馬法・仁本天下既に平らぎ、天子大いに愷(がい)し、春は蒐(しゅう)し秋は獮(せん)す。諸侯は春に旅を振い、秋に兵を治む。戦を忘れざる所以なり。古は、奔るを逐うこと百歩を過ぎず、綏(すい)を縦(お)うこと三舎を過ぎず、是を以て其の礼を明らかにす。不能を窮めずして傷病を哀憐す、是を以て其の義を明らかにす。列を成して皷(こ)す、是を以て其の信を明らかにす。
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