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洗心洞箚記 / 卷下・第十一條

自後天而視之、則似理與氣當分、在先天固無理氣之可分矣、愼獨復性、便是先天之學、而猶以理氣爲二、可乎、故終身不能復性、以此也、

新字:自後天而視之、則似理与気当分、在先天固無理気之可分矣、慎独復性、便是先天之学、而猶以理気為二、可乎、故終身不能復性、以此也、

書き下し

後天より之を視れば、則ち理と気と当に分かつべきに似たり。先天に在りては固より理気の分かつべき無し。慎独復性は、便ち是れ先天の学なり。而るに猶ほ理気を以て二と為すは、可ならんや。故に終身性に復する能はざるは、此を以てなり。

現代語訳

後天(形が生じてから)の立場から見ると、理と気は分けるべきもののように見える。しかし先天(形の生じる前)においては、もとより理と気を分けることはできない。独りを慎み本性に立ち返ることは、そのまま先天の学である。それなのになお理と気を二つとするのは、よいことだろうか。一生本性に立ち返れないのは、このためである。

解説

朱子学が理と気を分けて論じることへの、中斎の批判を短く述べた条である。形あるものの側から見れば理と気は分けられるように見えるが、根源においては一つであり、慎独によって本性に復る学はその根源の学だとする。卷上の長条で説かれた理と気の合一の主張と同じ筋である。分けて考えることは分析には役立つが、分けたままでは自分を変えることができないという指摘は、知識と実践を切り離しがちな現代の学び方への問いにもなっている。

この章句が説くこと

理気慎独復性気質先天修己

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