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洗心洞箚記 / 卷上・第八十四條

月之障乎樹葉、而雖葉間漏於光、葉之當處遮了、乃似虧月體而非虧焉、是可悟常人良知之障於氣質、而隱見斷息之義也、故學不至變化氣質、則良知雖存於內、焉能照徹於外也哉、

新字:月之障乎樹葉、而雖葉間漏於光、葉之当処遮了、乃似虧月体而非虧焉、是可悟常人良知之障於気質、而隠見断息之義也、故学不至変化気質、則良知雖存於内、焉能照徹於外也哉、

書き下し

月の樹葉に障へらるる、葉間に光を漏らすと雖も、葉の当る処は遮り了りて、乃ち月体を虧くに似て虧くるに非ず。是れ常人の良知の気質に障へられて、隠見断息するの義を悟るべきなり。故に学びて気質を変化するに至らずんば、則ち良知内に存すと雖も、焉んぞ能く外に照徹せんや。

現代語訳

月が木の葉にさえぎられると、葉の間から光は漏れるものの、葉の当たるところは遮られて、月そのものが欠けたように見えるが、実は欠けていない。ここから、普通の人の良知が気質にさえぎられて、見えたり隠れたり、途切れたりする意味を悟ることができる。だから学んで気質を変化させるところまで至らなければ、良知が内にあっても、どうして外まで照らし通せようか。

解説

良知は誰にも欠けずにあるが、気質という木の葉にさえぎられて、ところどころしか光らない、と月のたとえで説く。欠けて見えても月そのものは欠けていないという比喩は、良知の普遍を信じる陽明学の楽観をよく表す。一方で中斎は、それに安んじず、気質の変化まで学びを進めなければ良知は外に照り通らないと強調する。生まれ持った性格や癖が良い心の発露を邪魔することは誰にもある。性格を言い訳にせず、癖を少しずつ変えていくことが、内にある善を行いに表す道である。

この章句が説くこと

良知気質変化月修己陽明学

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