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洗心洞箚記 / 卷上・第二十一條

心不歸乎太虛必動矣、何則有形者、雖凌雲之喬嶽、無底之大海、必動搖於地震也、而地震不能動太虛焉、故心歸乎太虛、而始可語不動也已矣、

新字:心不帰乎太虚必動矣、何則有形者、雖凌雲之喬嶽、無底之大海、必動揺於地震也、而地震不能動太虚焉、故心帰乎太虚、而始可語不動也已矣、

書き下し

心太虚に帰せざれば必ず動く。何となれば則ち形有る者は、凌雲の喬岳、無底の大海と雖も、必ず地震に動揺す。而して地震も太虚を動かす能はず。故に心太虚に帰して、始めて不動を語るべきのみ。

現代語訳

心が太虚に帰っていなければ必ず動く。なぜなら形あるものは、雲をしのぐ高山や底知れぬ大海であっても、必ず地震で揺れ動く。しかし地震も太虚を動かすことはできない。だから心が太虚に帰って、初めて不動を語ることができるのである。

解説

前条に続き不動心を論じる。雲を突く高山も底なしの大海も、形あるものは地震で揺れるが、形のない太虚だけは地震にも動かない。だから心が太虚に帰って初めて不動と言えるという。どれほど大きく堅固に見えるものも、形がある限り揺らぐという指摘は、地位や財産、組織の規模を心の支えにする危うさを示している。地震の多い国に生きる者には実感のある比喩である。肩書きや実績に頼る自信はいつか揺らぐが、私心のない心は揺らがない、という教えとして読みたい。

この章句が説くこと

太虚不動心心地震修己陽明学

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