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潜夫論 / 卜列

且聖王之立卜筮也,不違民以為吉,不專任以斷事,故《鴻範》之占,大同是尚。《書》又曰:「假爾元龜,罔敢知吉。」《詩》雲:「我龜既?,不我告猶。」從此觀之,蓍龜之情,儻有隨時儉易,不以誠邪,將世無史蘇之材,識神者少乎?及周史之筮敬仲,莊叔之筮穆子,可謂能探賾索隱,鉤深致遠者矣。使獻公早納史蘇之言,穆子宿備莊叔之戒,則驪姬豎牛之讒,亦將無由而入,無破國危身之禍也。

新字:且聖王之立卜筮也,不違民以為吉,不専任以断事,故《鴻範》之占,大同是尚。《書》又曰:「仮爾元亀,罔敢知吉。」《詩》雲:「我亀既?,不我告猶。」従此観之,蓍亀之情,儻有随時倹易,不以誠邪,将世無史蘇之材,識神者少乎?及周史之筮敬仲,荘叔之筮穆子,可謂能探賾索隠,鉤深致遠者矣。使献公早納史蘇之言,穆子宿備荘叔之戒,則驪姫豎牛之讒,亦将無由而入,無破国危身之禍也。

書き下し

且つ聖王の卜筮を立つるや、民に違いて以て吉と為さず、専ら任じて以て事を断ぜず、故に《鴻範》の占は、大同を是れ尚ぶ。《書》に又曰く、「爾の元亀を仮りて、敢えて吉を知る罔し」と。《詩》に云う、「我が亀既に?れ、我に猶を告げず」と。此に従りて之を観れば、蓍亀の情は、儻し時に随いて倹易有り、誠邪を以てせず、将た世に史蘇の材無く、神を識る者少なきか。周史の敬仲を筮し、荘叔の穆子を筮するに及びては、能く賾を探り隠を索め、深きを鉤り遠きを致す者と謂うべし。使し献公早く史蘇の言を納れ、穆子宿より荘叔の戒めに備えしめば、則ち驪姫・豎牛の讒も、亦た将に入るに由無く、国を破り身を危うくするの禍も無からん。

現代語訳

聖王が卜筮を立てるのは、民の意に背いて吉とするためでも、卜筮だけに任せて物事を決めるためでもありません。だから『洪範』の占いは、人々の意見が大きく一致することを尊びます。『書』にも「汝の大亀を借りても、あえて吉を知ろうとはしない」とあります。『詩』には「我が亀はすでに疲れて、私に計るべきことを告げてくれない」とあります。これらから見れば、蓍や亀の実情は、時に応じて簡略になったり易しくなったりして、誠かどうかで決まらないのか、あるいは世に史蘇のような才がなく、神を見分ける者が少ないからでしょうか。周の史が敬仲を占い、荘叔が穆子を占ったことは、奥深いものを探り、隠れたことを求め、深いものを引き寄せ、遠くを見通すことができた例と言えます。もし献公が早く史蘇の言を受け入れ、穆子が以前から荘叔の戒めに備えていたなら、驪姫や豎牛の讒言も入り込む隙がなく、国を破り身を危うくする禍もなかったでしょう。

解説

前段に続き、王符は聖王が卜筮に頼りきらない姿勢を、『洪範』『書』『詩』の引用で示します。占いは民の意向や人々の大同を尊び、一人の専断のためのものではないという立場です。その上で、史蘇や荘叔など、占いの読み手の見識に左右されると述べ、献公や穆子が戒めを聞いていれば、驪姫や豎牛の讒言で禍を招かずに済んだと論じます。ここでの核心は、助言を得ても、それを受け入れて備える側の姿勢が結果を決めるという点です。現代の意思決定でも、専門家や外部の分析を聞くだけでなく、反対意見を受け入れて対策を取れるかが分かれ目になります。判断材料と合意の両方を重視する態度が要ります。

この章句が説くこと

卜列助言合意備え史蘇潜夫論

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