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潜夫論 / 愛日

武官斷獄,亦皆始見枉於小吏,終重冤於大臣。怨故未讎,輒逢赦令,不得復治。正士懷冤結而不得信,猾吏崇奸宄而不痛坐。郡縣所以易侵小民,而天下所以多饑窮也。

新字:武官断獄,亦皆始見枉於小吏,終重冤於大臣。怨故未讎,輒逢赦令,不得復治。正士懐冤結而不得信,猾吏崇奸宄而不痛坐。郡県所以易侵小民,而天下所以多饑窮也。

書き下し

武官の獄を断ずるも、亦た皆な始め枉げらるること小吏に見われ、終に冤を大臣に重ぬ。怨み故より未だ讎いず、輒ち赦令に逢いて、復た治むるを得ず。正士は冤結を懐きて信ぶるを得ず、猾吏は奸宄を崇びて痛く坐せられず。郡県の小民を侵し易き所以にして、天下の饑窮多き所以なり。

現代語訳

武官が獄を裁く場合も、はじめは下級の役人に曲げられ、最後には大臣のもとでさらに冤罪が重なります。恨みはもとより晴れないうちに、すぐ恩赦の令に当たって、改めて取り調べることができなくなります。正しい士は冤罪の恨みを抱えても申し開きができず、ずる賢い役人は悪事を重んじても厳しく罰せられません。これが郡県が小民を侵しやすい理由であり、天下に飢えや困窮が多い理由です。

解説

愛日篇の続きで、訴えの処理が下から上まで歪む様子を述べています。王符は、小役人に曲げられた判断が大臣の段階でさらに重なり、やり直そうとすれば恩赦に阻まれると見ています。その結果、正直な者が泣き寝入りし、悪賢い役人が罰を免れるという逆転が起きると指摘します。後漢の郡県では、役所の裁きが民の暮らしを左右しました。現代の組織でも、現場で歪められた報告が上へ重なって是正されない例があります。評価や処分の経路で最初の誤りを拾う仕組みがなければ、誠実な人ほど報われません。

この章句が説くこと

愛日冤罪恩赦猾吏公正潜夫論

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