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潜夫論 / 思賢

夫與死人同病者,不可生也;與亡國同行者,不可存也。豈虛言哉!何以知人且病也?以其不嗜食也;何以知國之將亂也?以其不嗜賢也。是故病家之廚,非無嘉饌也,乃其人弗之能食,故遂於死也。亂國之官,非無賢人也,其君弗之能任,故遂於亡也。夫生飯粳粱,旨酒甘醪,所以養生也;而病人惡之,以為不若菽麥糠糟欲清者,此其將死之候也。尊賢任能,信忠納諫,所以為安也,而暗君惡之,以為不若奸佞瑽茸讒諛言者,此其將亡之征。老子曰:「夫唯病病,是以不病。」易稱「其亡其亡,係於苞桑」。是故養壽之士,先病服藥;養世之君,先亂任賢,是以身常安而國永永也。

新字:夫与死人同病者,不可生也;与亡国同行者,不可存也。豈虚言哉!何以知人且病也?以其不嗜食也;何以知国之将乱也?以其不嗜賢也。是故病家之廚,非無嘉饌也,乃其人弗之能食,故遂於死也。乱国之官,非無賢人也,其君弗之能任,故遂於亡也。夫生飯粳粱,旨酒甘醪,所以養生也;而病人悪之,以為不若菽麦糠糟欲清者,此其将死之候也。尊賢任能,信忠納諫,所以為安也,而暗君悪之,以為不若奸佞瑽茸讒諛言者,此其将亡之征。老子曰:「夫唯病病,是以不病。」易称「其亡其亡,係於苞桑」。是故養寿之士,先病服薬;養世之君,先乱任賢,是以身常安而国永永也。

書き下し

夫れ死人と病を同じくする者は、生くべからず。亡国と行いを同じくする者は、存すべからず。豈に虚言ならんや。何を以て人の且に病まんとするを知る。其の食を嗜まざるを以てなり。何を以て国の将に乱れんとするを知る。其の賢を嗜まざるを以てなり。是の故に病家の厨は、嘉饌無きに非ず、乃ち其の人之を食らう能わず、故に遂に死に於いてす。乱国の官は、賢人無きに非ず、其の君之を任ずる能わず、故に遂に亡に於いてす。夫れ生飯粳粱、旨酒甘醪は、生を養う所以なり。而るに病人之を悪み、以て菽麦糠糟の清からんと欲する者に若かずと為す、此れ其の将に死せんとするの候なり。賢を尊び能を任じ、忠を信じ諫を納るるは、安を為す所以なり。而るに暗君之を悪み、以て奸佞瑽茸讒諛言の者に若かずと為す、此れ其の将に亡びんとするの征なり。老子曰く、「夫れ唯だ病を病とす、是を以て病まず」と。易に称す「其れ亡びん其れ亡びんとして、苞桑に係く」と。是の故に寿を養うの士は、病に先んじて薬を服す。世を養うの君は、乱に先んじて賢を任ず、是を以て身常に安くして国永永なり。

現代語訳

死人と同じ病にかかる者は、生き延びられません。滅びた国と同じ行いをする者は、存続できません。これは決して空言ではありません。どうして人がまもなく病むとわかるのでしょうか。食べ物を好まなくなるからです。どうして国がまもなく乱れるとわかるのでしょうか。賢者を好まなくなるからです。だから病人の家の台所には、よい食事がないわけではなく、その人が食べられないために、ついに死に至ります。乱れた国の官には、賢者がいないわけではなく、その君主が任用できないために、ついに滅びます。生飯の粳米や粟、旨い酒や甘い酒は、命を養うものです。ところが病人はこれを嫌い、豆や麦、ぬかや酒かすで済ませたほうがよいと思います。これは死のうとする兆しです。賢者を尊び能力のある者を任じ、忠を信じ諫めを受け入れることは、安泰のもとです。ところが暗愚な君主はこれを嫌い、よこしまな者やへつらい者、讒言を言う者の言葉のほうがよいと思います。これは滅びようとする徴候です。老子は「ただ病を病として心配するからこそ、病まないのだ」と言い、易には「亡びるかもしれない、亡びるかもしれないと、桑の根もとにつなぐ」とあります。だから命を養う人は、病む前に薬を飲み、世を養う君主は、乱れる前に賢者を任じるのです。そうして身は常に安らかで、国は永く保たれます。

解説

病と食欲の比喩で、賢者を求めなくなることが国の乱れる兆しだと説く段です。食事は用意されているのに病人が食べられないように、賢者はいるのに君主が任じられない、という対応で書かれています。老子と易の引用は、危うさを意識して備える姿勢を示しています。王符は、病む前に薬を飲み、乱れる前に賢者を任じることを勧めます。現代の組織でも、耳に痛い意見を言う人材を遠ざけるようになるのは、衰退の初期症状といえるでしょう。違和感を察知する習慣が、手遅れを防ぎます。

この章句が説くこと

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