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潜夫論 / 考績

群僚舉士者,或以頑魯應茂才,以桀逆應至孝,以貪饕應廉吏,以狡猾應方正,以諛諂應直言,以輕薄應敦厚,以空虛應有道,以嚚闇應明經,以殘酷應寬博,以怯弱應武猛,以愚頑應治劇,名實不相副,求貢不相稱,富者乘其材力,貴者阻其勢要,以錢多為賢,以剛強為上。凡在位所以多非其人,而官聽所以數亂荒也。

新字:群僚舉士者,或以頑魯応茂才,以桀逆応至孝,以貪饕応廉吏,以狡猾応方正,以諛諂応直言,以軽薄応敦厚,以空虚応有道,以嚚闇応明経,以残酷応寛博,以怯弱応武猛,以愚頑応治劇,名実不相副,求貢不相称,富者乗其材力,貴者阻其勢要,以銭多為賢,以剛強為上。凡在位所以多非其人,而官聴所以数乱荒也。

書き下し

群僚の士を挙ぐる者は、或いは頑魯を以て茂才に応じ、桀逆を以て至孝に応じ、貪饕を以て廉吏に応じ、狡猾を以て方正に応じ、諛諂を以て直言に応じ、軽薄を以て敦厚に応じ、空虚を以て有道に応じ、嚚闇を以て明経に応じ、残酷を以て寛博に応じ、怯弱を以て武猛に応じ、愚頑を以て治劇に応ず。名実相い副わず、求貢相い称わず、富者は其の材力に乗じ、貴者は其の勢要を阻み、銭多きを以て賢と為し、剛強を以て上と為す。凡そ位に在る者に其の人に非ざること多き所以にして、官聴の数しば乱荒する所以なり。

現代語訳

多くの役人が士を推挙する際には、愚かで頑なな者を茂才に当て、凶暴で逆らう者を至孝に当て、貪欲な者を廉吏に当て、ずる賢い者を方正に当て、へつらう者を直言に当て、軽薄な者を敦厚に当て、中身のない者を有道に当て、愚かで暗い者を明経に当て、残酷な者を寛博に当て、臆病な者を武猛に当て、愚鈍で頑固な者を治劇に当てています。名と実が合わず、求める人材と推挙される人材が釣り合わず、富む者はその財力を頼り、貴い者はその勢力と要職を使って邪魔をし、金が多いことを賢いとし、強引なことを優れているとしています。これが、位にある者に不適任者が多く、官の聞き取りが何度も乱れ荒れる理由です。

解説

推挙の名目と、実際に推挙される人物とが食い違うことを、科目ごとに対比して並べる段です。茂才・孝廉・方正といった科目名に、実際は逆の性質の人物が当てられるという列挙の形で、名実の乖離を鮮明にしています。さらに、富者は財力を、貴者は権勢を使い、金や強引さが賢さの代わりになっていると述べます。現代の人事でも、肩書や資格の名目が実力と一致しているか、確認する習慣が要ります。昇進や選抜の基準が、実際には人脈や資金力で決まっていないか、点検が欠かせません。

この章句が説くこと

考績名実推挙選抜不適任潜夫論

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