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潜夫論 / 考績

聖王之建百官也,皆以承天治地,物養萬民者也。是故有號者必稱典,名理者必效於實,則官無廢職,位無非人。夫守相令長效在治民,州牧刺史在憲聰明,九卿分職以佐三公,三公總統典和陰陽,皆當考治以效實為王休者也。侍中大夫博士議郎,以言語為職,諫諍為官。及選茂才、孝廉、賢良方正、惇樸、有道、明經、寬博、武猛、治劇,此皆名自命而號自定,群臣所當盡情竭慮,稱君詔也。今則不然,令長守相,不思立功;貪殘專恣,不奉法令;侵冤小民,州司不治。令遠詣闕,上書訟訴,尚書不以責三公,三公不以讓州郡,州郡不以討縣邑,是以凶惡狡猾,易相冤也。侍中博士,諫議之官,或處位曆年,終無進賢嫉惡拾遺補闕之語,而貶黜之憂。

新字:聖王之建百官也,皆以承天治地,物養万民者也。是故有号者必称典,名理者必効於実,則官無廃職,位無非人。夫守相令長効在治民,州牧刺史在憲聰明,九卿分職以佐三公,三公総統典和陰陽,皆当考治以効実為王休者也。侍中大夫博士議郎,以言語為職,諫諍為官。及選茂才、孝廉、賢良方正、惇樸、有道、明経、寛博、武猛、治劇,此皆名自命而号自定,群臣所当尽情竭慮,称君詔也。今則不然,令長守相,不思立功;貪残専恣,不奉法令;侵冤小民,州司不治。令遠詣闕,上書訟訴,尚書不以責三公,三公不以譲州郡,州郡不以討県邑,是以凶悪狡猾,易相冤也。侍中博士,諫議之官,或処位暦年,終無進賢嫉悪拾遺補闕之語,而貶黜之憂。

書き下し

聖王の百官を建つるや、皆以て天を承け地を治め、万民を物養する者なり。是の故に号有る者は必ず典に称い、名理する者は必ず実に効う、則ち官に廃職無く、位に非人無し。夫れ守相令長は効 民を治むるに在り、州牧刺史は聡明を憲にするに在り、九卿は職を分かちて以て三公を佐け、三公は総統して陰陽を典和す、皆当に治を考えて実に効い王の休を為すべき者なり。侍中・大夫・博士・議郎は、言語を以て職と為し、諫諍を官と為す。茂才、孝廉、賢良方正、惇樸、有道、明経、寛博、武猛、治劇を選ぶに及びては、此れ皆名は自ら命じ号は自ら定まる、群臣の当に情を尽くし慮を竭し、君の詔に称うべき所なり。今は則ち然らず、令長守相は、功を立つるを思わず。貪残専恣にして、法令を奉ぜず。小民を侵冤するも、州司治めず。遠く闕に詣り、上書訟訴せしむるも、尚書は以て三公を責めず、三公は以て州郡を譲めず、州郡は以て県邑を討たず、是を以て凶悪狡猾は、相い冤むること易し。侍中博士、諫議の官は、或いは位に処ること歴年なるも、終に賢を進め悪を嫉み遺を拾い闕を補うの語無く、而して貶黜の憂いあり。

現代語訳

聖王が多くの官職を設けるのは、天を承け、地を治め、万民を養うためです。だから官の名を持つ者は必ず制度にかない、名分を定める者は必ず実際に応えるべきで、そうなれば官に使われない職がなく、位に不適格な者もいなくなります。太守・国相・県令・県長は民を治めることに成果があり、州牧・刺史は聡明な目で法を明らかにすることにあり、九卿は職を分けて三公を助け、三公は全体を統べて陰陽を調和させます。みな、治績を考査して実際に応え、王の幸いとなるべき者たちです。侍中・大夫・博士・議郎は、言葉を職務とし、諫めることを官とします。茂才・孝廉・賢良方正・惇樸・有道・明経・寛博・武猛・治劇の者を選ぶにあたっては、これらはみな名が自ら決まり、号が自ら定まっており、群臣が真心を尽くし考えを尽くして、君主の詔にかなうべきところです。ところが今はそうではありません。県令・県長・太守・国相は、功を立てることを考えません。貪欲で残酷、勝手気ままで、法令を守りません。庶民を侵し冤罪に陥れても、州の役人は取り締まりません。遠く宮門に出向いて上書し訴えさせても、尚書は三公を責めず、三公は州郡を叱らず、州郡は県邑を討たず、そのため凶悪で狡猾な者は、人を冤罪に陥れやすくなります。侍中や博士、諫議の官は、地位に何年もいても、ついに賢者を進め悪を憎み、漏れを拾い欠けを補う言葉がなく、それでいて貶黜の心配だけはあります。

解説

考績篇の続きで、官ごとに本来の任務を列挙した上で、現実がその職分から外れていることを批判する段です。任務に応える実績があってはじめて官の名にふさわしいという立場から、県令・太守から三公・尚書に至る責任の押しつけ合いが描かれます。原文末尾は文の形が不自然ですが、ここでは字の通りに読んでいます。現代の組織でも、問題が起きたとき、各階層が責任を上へ上へと送り、誰も解決しない構図は珍しくありません。役割ごとの成果と責任の線引きを明らかにする意義は、今も変わりません。

この章句が説くこと

考績責任官職職分縦割り潜夫論

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