省諐録 / 第28条
不令外夷開侮之心。是防禦之至要也。邊海防堵。皆不得其法。所陳銃器。皆不中其式。所接官吏。皆凡夫庸人。胸無甲兵。如此而欲無開夷人侮心。寧可得乎。
新字:不令外夷開侮之心。是防禦之至要也。辺海防堵。皆不得其法。所陳銃器。皆不中其式。所接官吏。皆凡夫庸人。胸無甲兵。如此而欲無開夷人侮心。寧可得乎。
書き下し
外夷をして侮りの心を開かしめざるは、是れ防禦の至要なり。邊海の防堵、皆其の法を得ず。陳ぬる所の銃器、皆其の式に中らず。接する所の官吏、皆凡夫庸人にして、胸に甲兵無し。此くの如くにして夷人の侮心を開く無からんと欲するは、寧ぞ得べけんや。
現代語訳
外国の者に侮りの心を起こさせないことこそ、防御のもっとも大切な点です。ところが辺境や海辺の守りは、どれもやり方を得ていません。並べてある銃器も、どれも規格に合っていません。応対に当たる役人も、みな凡庸な人ばかりで、胸の内に兵の備えがありません。このような状態で、外国人に侮りの心を起こさせまいとしても、どうしてできるでしょうか。
解説
防御でいちばん大切なのは、外国の者に侮りの心を起こさせないことだと言い、守りの方法、銃器の規格、応対する役人の力量という三つの欠点を挙げます。「夷」は当時の外国の呼称で、外国観にも当時の見方が反映しています。それでも論の筋は、相手に軽く見られる原因は自分の側の備えの不備にある、というものです。現代の組織にも通じます。取引先や顧客に軽く見られるとき、その原因は仕組み、道具、窓口に立つ人の力量のどこにあるのか。三つに分けて点検する視点は、そのまま使えます。
この章句が説くこと
防御侮り備え窓口三つの欠点省諐録
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