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省諐録 / 第25条

射有禮射武射之別。然其初也。專爲防禦而設。防禦之事。蓋男子立身第一義也。故其生。桑弧蓬矢。以射天地四方。然後敢用穀。亦示第一義也。自銃礮興。弓矢長兵。皆失其爲利。男子生乎今之世。不知銃礮。其可乎。於其初生。亦宜以礮換弧矢。發於上下四方。以志於其所有事也。

新字:射有礼射武射之別。然其初也。専為防禦而設。防禦之事。蓋男子立身第一義也。故其生。桑弧蓬矢。以射天地四方。然後敢用穀。亦示第一義也。自銃礮興。弓矢長兵。皆失其為利。男子生乎今之世。不知銃礮。其可乎。於其初生。亦宜以礮換弧矢。発於上下四方。以志於其所有事也。

書き下し

射に禮射・武射の別有り。然れども其の初めや、專ら防禦の爲に設く。防禦の事は、蓋し男子立身の第一義なり。故に其の生まるるや、桑弧蓬矢もて、以て天地四方に射し、然る後に敢へて穀を用ふ。亦第一義を示すなり。銃礮興りてより、弓矢長兵、皆其の利たるを失ふ。男子今の世に生まれて、銃礮を知らざる、其れ可ならんや。其の初めて生まるるに於いても、亦宜しく礮を以て弧矢に換へ、上下四方に發して、以て其の有事とする所に志すべし。

現代語訳

射には、礼を重んじる礼射と、戦いのための武射との区別があります。しかしその始まりは、もっぱら防御のために設けられたものでした。防御のことは、男子が身を立てるうえで第一の務めです。だから男子が生まれると、桑の弓と蓬の矢で天地四方に射て、そのあとではじめて穀物を用いました。これも第一の務めを示すものです。銃砲が興ってからは、弓矢や長柄の武器はどれも武器としての利を失いました。男子として今の世に生まれながら、銃砲を知らなくてよいでしょうか。生まれたときにも、弓矢に替えて砲を上下四方に放ち、自分が事に当たるべきことへの志を示すのがよいのです。

解説

弓の射には礼射と武射の別があるが、もとは防御のために設けられたものだと述べます。男子が生まれたときに桑の弓と蓬の矢を天地四方に射る習わしも、防御が身を立てる第一の務めであることを示すとされます。そのうえで、銃砲が出てからは弓矢も長柄の武器も役に立たなくなったのだから、今の男子は銃砲を知らねばならず、誕生の儀礼も弓矢から砲に替えてよいと論じます。男子を立身の担い手とする見方は当時の価値観ですが、使う道具が変わったのに古い型を守り続けていないか、という問いは今も通用します。自分の仕事の武器が時代に合っているかを点検する手がかりになります。

この章句が説くこと

防御銃砲弓矢新しい道具第一義省諐録

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