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省諐録 / 第21条

抗孔聖浮雲之志。養鄒叟浩然之氣。寵辱不驚。俛仰不怍。究天地之際。觀古今之變。玩萬物之理。稽人身之紀。雖在困極。樂亦有在焉。饑而食。渴而飮。坐而思。倦而睡。適然自得。又不知身在圜牆之中矣。

新字:抗孔聖浮雲之志。養鄒叟浩然之気。寵辱不驚。俛仰不怍。究天地之際。観古今之変。玩万物之理。稽人身之紀。雖在困極。楽亦有在焉。饑而食。渇而飲。坐而思。倦而睡。適然自得。又不知身在圜牆之中矣。

書き下し

孔聖浮雲の志に抗し、鄒叟浩然の氣を養ふ。寵辱に驚かず、俛仰して怍ぢず。天地の際を究め、古今の變を觀、萬物の理を玩び、人身の紀を稽ふ。困極に在りと雖も、樂も亦在る有り。饑ゑて食し、渴して飮み、坐して思ひ、倦みて睡る。適然として自得し、又身の圜牆の中に在るを知らず。

現代語訳

孔聖の「浮雲」の志に肩を並べ、鄒叟の浩然の気を養います。寵愛にも恥辱にも驚かず、仰いでも俯いても恥じるところがありません。天地の際を究め、古今の変化を観察し、万物の理を味わい、人の身の秩序を考えます。困窮の極みにあっても、楽しみはまたそこにあります。飢えれば食べ、渇けば飲み、座って思索し、疲れれば眠ります。ゆったりと自ら満ち足りて、自分の身が牢の垣のなかにあることさえ、また忘れてしまいます。

解説

獄中でも楽しみは見出せるという条です。孔聖の浮雲の志に肩を並べ、鄒叟の浩然の気を養い、寵辱に驚かず、仰いでも俯しても恥じないと言います。天地の際を究め、古今の変を観て、万物の理を玩び、人身の紀を考える。飢えれば食べ、渇けば飲み、座して思い、倦めば眠る。そのまま自得して、牢のなかにいることさえ忘れるとします。外の環境が奪えない学びと思索の自由を、楽しみの核に置いている点が特徴です。現代の仕事でも、異動や環境の制約で思うように動けない時期は誰にでもあります。そんな時こそ、外から変えられない領域、つまり学び方や考え方や生活の基本を整える時間に読み替えると、停滞を蓄積に変えられます。

この章句が説くこと

浩然の気自得思索寵辱困窮省諐録

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