政談 / 御城下にて御用の外早馬を禁する事
又た日本にて大軍の陣取りたる跡を見れは、糞滿ち〳〵て足のふみところもなきものなり、大明の軍兵の陣とりたるは糞をしたる跡は曾て見えす、如何なる故と云ふことは知らねとも、兎角法令の能く手に入りたることなりとて覺兵衞感し語りたりと承はる、是等皆な操練にて大勢の人數能く自由に取廻すことを習はす故なり、又黃檗派の法事は日本の法事とはかはり、法事の儀式見事に整ひて亂るゝこと曾てなし、是れ異國の禮法のをもかげを移したる故斯の如し、操練のこと禮のことは少し詮議有り度と也、
新字:又た日本にて大軍の陣取りたる跡を見れは、糞満ち〳〵て足のふみところもなきものなり、大明の軍兵の陣とりたるは糞をしたる跡は曽て見えす、如何なる故と云ふことは知らねとも、兎角法令の能く手に入りたることなりとて覚兵衛感し語りたりと承はる、是等皆な操練にて大勢の人数能く自由に取廻すことを習はす故なり、又黄檗派の法事は日本の法事とはかはり、法事の儀式見事に整ひて乱るゝこと曽てなし、是れ異国の礼法のをもかげを移したる故斯の如し、操練のこと礼のことは少し詮議有り度と也、
書き下し
又た日本にて大軍の陣取りたる跡を見れは、糞満ち〳〵て足のふみところもなきものなり、大明の軍兵の陣とりたるは糞をしたる跡は曽て見えす、如何なる故と云ふことは知らねとも、兎角法令の能く手に入りたることなりとて覚兵衛感し語りたりと承はる、是等皆な操練にて大勢の人数能く自由に取廻すことを習はす故なり、又黄檗派の法事は日本の法事とはかはり、法事の儀式見事に整ひて乱るゝこと曽てなし、是れ異国の礼法のをもかげを移したる故斯の如し、操練のこと礼のことは少し詮議有り度と也、
現代語訳
また、日本で大軍が陣取った跡を見ると、糞が満ちて足の踏み場もないものである。明の軍兵が陣取った跡には、糞をした跡はまったく見えない。どういうわけかはわからないが、とにかく法令がよく行き届いているのだと覚兵衛が感心して語ったと聞いている。これらは皆、操練によって大勢の人数をよく自由に取り回すことを習わせているからである。また、黄檗宗の法事は日本の法事とは違い、法事の儀式が見事に整って乱れることがまったくない。これは異国の礼法の面影を移しているからこのようなのである。操練のことと礼のことは、少し詮議してほしいものである。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
『韓非子』難三第三十八桓公能く管仲の功を用いて、鉤を射るの怨みを忘る。文公能く寺人の言を聴きて、祛を斬るの罪を棄つ。... 是れ臣讎するに、而も明燭すこと能わず、多く之に資を假すに、自ら以て賢と為して戒めず。
-
『韓非子』飭令第五十三刑を行いて、其の輕き者を重くすれば、輕き者至らず、重き者來たらず。此を刑を以て刑を去ると謂う。
-
『韓非子』十過第十小忠を行うは、則ち大忠の賊なり。
-
『韓非子』飾邪第十九昔者、舜、吏をして鴻水を決せしめしに、令に先だちて功有りて、舜之を殺す。禹、諸侯の君を會稽の上に朝し、防風の君後れて至りて、禹之を斬る。
-
『韓非子』六反第四十六前は苦しくして長く利あり。仁の道為る、偸楽にして後に窮す。聖人其の軽重を権り、其の大利を出だす、故に法の相忍ぶを用ひて、仁人の相憐れむを弃つるなり。
-
『韓非子』心度第五十四聖人の民を治むるは、本に度り、其の欲を從(ほしいまま)にせしめず、民を利するを期するのみ。故に其の之に刑を與うるは、民を悪む所以に非ず、愛の本なり。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る