政談 / 諸役人職分支配を分つ事
又今年鹿島のへんよりあんは大明神の祭りを渡すと云ふことはやり出てゝ村つきに御輿を渡し、下總上總の內をありき、上總の中原と云ふ所に社を立てゝ納めたりと云ふ、本社も無くて天狗のわざのやうなり、田舍に武士住ぬ故、制する人なきなり、此等は唯々一端を擧けて譬とする、兎角諸役人みなつかかれりと云ふことなき故何れも斯の如し、
新字:又今年鹿島のへんよりあんは大明神の祭りを渡すと云ふことはやり出てゝ村つきに御輿を渡し、下総上総の内をありき、上総の中原と云ふ所に社を立てゝ納めたりと云ふ、本社も無くて天狗のわざのやうなり、田舎に武士住ぬ故、制する人なきなり、此等は唯々一端を挙けて譬とする、兎角諸役人みなつかかれりと云ふことなき故何れも斯の如し、
書き下し
又今年鹿島のへんよりあんは大明神の祭りを渡すと云ふことはやり出てゝ村つきに御輿を渡し、下総上総の内をありき、上総の中原と云ふ所に社を立てゝ納めたりと云ふ、本社も無くて天狗のわざのやうなり、田舎に武士住ぬ故、制する人なきなり、此等は唯々一端を挙けて譬とする、兎角諸役人みなつかかれりと云ふことなき故何れも斯の如し、
現代語訳
また今年、鹿島のあたりから「あんば大明神」の祭りを渡すということがはやり出して、村々次々に御輿を渡し、下総・上総の内を歩き、上総の中原という所に社を建てて納めたという。本社もなくて天狗のしわざのようである。田舎に武士が住まないので、制する人がいないのである。これらはただ一端を挙げてたとえとする。とにかく諸役人が皆、つかさどる掛かりということがないので、いずれもこのようである。
解説
この章句が説くこと
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