三十六計 / 第五套 並戰計・第 卅 計・反客為主
乘隙插足,扼其主機,漸之進也。 【按語】為人驅使者為奴,為人尊處者為客,不能立足者為暫客,能立足者為久客,客久而不能主事者為賤客,能主事則可漸握機要,而為主矣。故反客為主之局:第一步須爭客位;第二步須乘隙;第三步須插足;第四足須握機;第五步乃成功。為主,則並人之軍矣;此漸進之陰謀也。如李淵書尊李密,密卒以敗;漢高視勢未敵項羽之先,卑事項羽,使其見信,而漸以侵其勢,至垓下一役,一舉亡之。
新字:乗隙挿足,扼其主機,漸之進也。 【按語】為人駆使者為奴,為人尊処者為客,不能立足者為暫客,能立足者為久客,客久而不能主事者為賤客,能主事則可漸握機要,而為主矣。故反客為主之局:第一歩須争客位;第二歩須乗隙;第三歩須挿足;第四足須握機;第五歩乃成功。為主,則並人之軍矣;此漸進之陰謀也。如李淵書尊李密,密卒以敗;漢高視勢未敵項羽之先,卑事項羽,使其見信,而漸以侵其勢,至垓下一役,一舉亡之。
書き下し
隙に乗じて足を插み、其の主機を扼す、漸の進むなり。 【按語】人の駆使を為す者は奴為り、人の尊処を為す者は客為り、足を立つる能わざる者は暫客為り、足を立つる能う者は久客為り、客久しくして事を主る能わざる者は賤客為り、事を主る能えば則ち漸く機要を握りて、主と為るべし。故に客を反して主と為すの局は、第一歩は須く客位を争うべし、第二歩は須く隙に乗ずべし、第三歩は須く足を插むべし、第四足は須く機を握るべし、第五歩にして乃ち成功す。主と為れば、則ち人の軍を並す、此れ漸進の陰謀なり。如えば、李淵は書もて李密を尊び、密は卒に以て敗る、漢高は勢い未だ項羽に敵せざるの先に視て、卑しく項羽に事え、其をして信ぜられしめ、而して漸く以て其の勢いを侵し、垓下の一役に至りて、一挙にして之を亡ぼす。
現代語訳
隙に乗じて足場を置き、その中枢の要を押さえる。順を追って進む漸の卦である。 【按語】人に使われる者は奴であり、人から尊ばれる位置にいる者は客であり、足場を築けない者は仮の客であり、足場を築ける者は長く居る客です。客として長く居ても事を取り仕切れない者は卑しい客であり、事を取り仕切れるなら、次第に要の機を握って、主となれます。だから客が主になる局面では、第一歩は客の位置を争うこと、第二歩は隙に乗じること、第三歩は足を入れること、第四歩は要を握ること、第五歩で成功します。主となれば、他人の軍を併せることになります。これは少しずつ進める陰の謀です。たとえば、李淵は書状で李密を尊び、李密はついに敗れました。漢の高祖は、勢いがまだ項羽に及ばないうちに、へりくだって項羽に仕え、信用させ、少しずつその勢いを侵し、垓下の一戦で、一挙に項羽を滅ぼしました。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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孫子・虚実篇孫子曰く、戦いを善くする者は、人を致して人に致されず。
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李衛公問対・卷上兵を善く用うる者は、先ず測る可からざるを為せば、則ち敵は其の之く所に乖く。
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尉繚子・戰威善く兵を用うる者は、能く人を奪いて人に奪われず。
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尉繚子・戰權兵法に曰く、「千人にして権を成し、万人にして武を成す。権先づ人に加ふる者は、敵力交へず。武先づ人に加ふる者は、敵威接せず」と。故に兵は先を貴ぶ。此に勝てば、則ち彼に勝つ。此に勝たざれば、則ち彼に勝たず。凡そ我往けば則ち彼来たり、彼来たれば則ち我往き、相勝敗を為す、此れ戦の理の然るなり。夫れ精誠は神明に在り、戦権は道の極まる所に在り。有る者は之を無くし、無き者は之を有らしむ、安んぞ之を信ずる所あらん。先王の伝聞する所の者は、正に任じ詐を去り、其の慈順を存し、決して留刑無し。故に道を知る者は、必ず先づ止まるを知らざるの敗を図る、悪んぞ必ず往きて功有るに在らんや。軽く進みて戦を求むれば、敵復た止まるを図り、我往きて敵勝を制す。故に兵法に曰く、「求めて之に従ひ、見て之に加へ、主人敢へて当たらざるに之を陵げば、必ず其の権を喪ふ」と。凡そ奪はるる者は気無く、恐るる者は守るべからず、敗るる者は人無し、兵に道無ければなり。意往きて疑はざれば、則ち之に従ふ。敵を奪ひて前無ければ、則ち之に加ふ。明らかに視て高く居れば、則ち之を威す。兵の道極まれり。其の言謹み無ければ、偸みて失はしむ。其の陵犯節無ければ、破る。水のごとく潰し雷のごとく撃てば、三軍乱る。必ず其の危ふきを安んじ、其の患を去り、智を以て之を決す。之を高くするに廊廟の論を以てし、之を重くするに受命の論を以てし、之を鋭くするに踰垠の論を以てすれば、則ち敵国戦はずして服すべし。
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『新論』長計是れ所謂其の之く所を乖く者にして、実を変じて虚と為し、虚を転じて実と為す。此くの如くなれば、則ち神聖の夷狄を御する所以の略、彼倒用するを得ずして、彼の我を擾す所以の術、我将に之を倒用せんとす。然る後操縦の権、我より之を制す。廟謨既に定まり、上下心を同じくし、千塗万轍、必ず是の道に由りて変ぜず。是に於てか我の夷狄を御する所以の者は、即ち神聖の夷狄を御する所以にして、内に一定の略有りて、外に乗ずべきの虚無し。黠虜をして千群我を窺はしむと雖も、将た何を以て我が辺陲に陸梁するを得んや。(大猷公嘗て訳官島野兼了なる者を天竺に遣はす。兼了荷蘭の賈舶に乗り、諸国を周流し、遂に東海に往くこと三千里、一大国を得たり。以為へらく是の国宜しく神州に属すべしと。因りて碑を立てて題して日本国中と曰ふ。当時の規模の宏遠なること、亦見るべきなり。海東三千里なる者は、疑ふらくは即ち西夷の所謂亜墨利加洲なる者ならん。)
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李衛公問対・卷中千章万句、『人を致して人に致されず』を出でざるのみ。
人生を、一行の式にしてみた。
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