三十六計 / 第五套 並戰計・第廿九計・樹上開花
借局布勢,力小勢大。鴻漸於陸,其羽可用為儀也。 【按語】此樹根本無花而樹則可以有花,剪綵貼之,不細察者不易覺,使花與樹交相輝映,而成玲瓏全局也。此蓋布精兵於友軍之陣,完其勢以威敵也。
新字:借局布勢,力小勢大。鴻漸於陸,其羽可用為儀也。 【按語】此樹根本無花而樹則可以有花,剪綵貼之,不細察者不易覚,使花与樹交相輝映,而成玲瓏全局也。此蓋布精兵於友軍之陣,完其勢以威敵也。
書き下し
局を借りて勢いを布き、力小さくして勢い大なり。鴻は陸に漸む、其の羽は用て儀と為すべし。 【按語】此の樹は根本より花無くして、樹には則ち花有らしむべし、綵を剪りて之を貼り、細かく察せざる者は覚り易からず、花と樹とをして交ごも相輝映せしめて、玲瓏の全局を成すなり。此れ蓋し精兵を友軍の陣に布き、其の勢いを完うして以て敵を威すなり。
現代語訳
場を借りて勢いを広げ、力は小さくても勢いは大きく見せる。鴻が陸に進み、その羽は儀礼の飾りにも用いられる。 【按語】この樹はもともと花がないのに、花があるように見せられます。色絹を切って貼り付ければ、詳しく調べない者には気づかれにくく、花と樹が互いに映え合って、美しく整った全体の姿ができます。これはつまり、精兵を味方の陣に配置して、その勢いを完全に見せ、敵を威圧することです。
解説
枯れ木に造花を貼り、咲いたように見せる計です。按語は、花のない樹にも、色絹を貼れば細かく調べない者には気づかれにくく、樹と花が映え合って整った姿になる、と説明します。つまり、自分の力が小さくても、既存の陣形や他者の場を借りることで勢いを大きく見せる、ということです。味方の陣に精兵を配置して、全体の威を高めるのがその具体策とされます。仕事に置き換えると、実績の少ない新規事業が、大手との提携や共同イベント、信頼できる顧客の事例を借りて、事業の信頼と存在感を示す、という読み方ができます。ただし見せかけが実態を超えると信用を損なうので、借りた場に実力を追いつかせる姿勢が欠かせません。
この章句が説くこと
樹上開花借局造花勢い力小勢大友軍
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