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論衡 / 『論衡』解除篇第七十五・対症療法では根を断てない

虎狼入都、弓弩巡之、雖殺虎狼、不能除虎狼所為來之患。盜賊攻城、官軍擊之、雖卻盜賊、不能滅盜賊所為至之禍。虎狼之來、應政失也;盜賊之至、起世亂也。然則鬼神之集、為命絕也。殺虎狼、卻盜賊、不能使政得世治。然則盛解除、驅鬼神、不能使凶去而命延。

新字:虎狼入都、弓弩巡之、雖殺虎狼、不能除虎狼所為来之患。盗賊攻城、官軍撃之、雖却盗賊、不能滅盗賊所為至之禍。虎狼之来、応政失也;盗賊之至、起世乱也。然則鬼神之集、為命絶也。殺虎狼、却盗賊、不能使政得世治。然則盛解除、駆鬼神、不能使凶去而命延。

書き下し

虎狼、都に入れば、弓弩もて之を巡らす。虎狼を殺すと雖も、虎狼の来たる所為の患を除く能わず。盗賊、城を攻むれば、官軍之を撃つ。盗賊を卻くと雖も、盗賊の至る所為の禍を滅ぼす能わず。虎狼の来たるは、政の失に応ずるなり。盗賊の至るは、世の乱に起こるなり。然らば則ち鬼神の集まるは、命の絶ゆるが為なり。虎狼を殺し、盗賊を卻くも、政をして得、世をして治めしむる能わず。然らば則ち解除を盛んにし、鬼神を駆るも、凶をして去り命をして延びしむる能わず。

現代語訳

虎や狼が都に入れば、弓や弩を持って見回ります。虎や狼を殺しても、虎や狼がやって来た原因となる憂いは除けません。盗賊が城を攻めれば、官軍がこれを討ちます。盗賊を退けても、盗賊が現れた原因となる災いはなくせません。虎や狼が来るのは政治の失敗に応じたもの、盗賊が来るのは世の乱れから起こるものです。それならば、鬼神が集まるのも、命が尽きようとしているからです。虎や狼を殺し、盗賊を退けても、政治を良くし世を治めることはできません。それと同じで、お祓いを盛大にし、鬼神を追い払っても、凶を去らせ命を延ばすことはできないのです。

解説

解除は、家に入り込んだ鬼を追い払うお祓いの儀礼です。王充は、虎や盗賊を退治しても、それらが現れた原因の政治の失敗や世の乱れは直らない、という例えで、お祓いの限界を示します。目の前の現象を取り除くだけでは、根にある原因は消えません。職場でも、同じトラブルが繰り返されるのに、その都度の火消しで済ませる場面があります。発生のたびに対処する努力と、なぜ起きるのかを直す努力は別物です。後者に手をつけているか、点検するきっかけになります。
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この章句が説くこと

解除虎狼盗賊政の失命根本原因

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