論衡 / 『論衡』詰術篇第七十四・家相だけ甲乙を使う矛盾
夫人之有宅、猶有田也。以田飲食、以宅居處、人民所重、莫食最急、先田後宅、田重於宅也。田間阡陌可以制八術、比土為田、可以數甲乙、甲乙之術獨施於宅、不設於田、何也?
新字:夫人之有宅、猶有田也。以田飲食、以宅居処、人民所重、莫食最急、先田後宅、田重於宅也。田間阡陌可以制八術、比土為田、可以数甲乙、甲乙之術独施於宅、不設於田、何也?
書き下し
夫れ人の宅有るは、猶お田有るがごときなり。田を以て飲食し、宅を以て居処す。人民の重んずる所は、食より急なるは莫し。田を先にして宅を後にするは、田の宅より重きなればなり。田間の阡陌は以て八術を制すべく、土を比べて田と為さば、以て甲乙を数うべし。甲乙の術、独り宅に施して、田に設けざるは、何ぞや。
現代語訳
そもそも人が家を持つのは、田を持つのと同じです。田で飲み食いし、家で暮らします。人が重んじるものの中で、食より急なものはなく、田を先にして家を後にするのは、田が家より重いからです。田の間のあぜ道には「八術」を当てはめられ、土地を並べて田とするなら甲乙を割り当てられるはずなのに、甲乙の術をただ家にだけ施して、田には設けないのはなぜでしょうか。
解説
この篇は、家の間取りと住む人の姓を五音で結びつける家相の術を、ひとつずつ問い詰める「詰術」の篇です。ここで王充は、同じ理屈が使えるはずの田や役所の官舎には甲乙を割り当てないのに、民家にだけ割り当てるのは筋が通らない、と突きます。説の適用範囲が恣意的であることを示す、一貫性の検証です。現代の組織でも、ルールや評価基準が特定の部署や人にだけ厳しく当てはめられていないか。同じ理屈を別の場面に当てはめて矛盾がないか確かめる方法として、役に立つ型です。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
図宅術甲乙宅田一貫性詰
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