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論衡 / 『論衡』死偽篇第六十三・人は皆それぞれ心残りを抱く

凡人之死、皆有所恨、志士則恨義事未立、學士則恨問多不及、農夫則恨耕未畜谷、商人則恨貨財未殖、仕者則恨官位未極、勇者則恨材未優。天下各有所欲乎、然而各有所恨。

新字:凡人之死、皆有所恨、志士則恨義事未立、学士則恨問多不及、農夫則恨耕未畜谷、商人則恨貨財未殖、仕者則恨官位未極、勇者則恨材未優。天下各有所欲乎、然而各有所恨。

書き下し

凡そ人の死するや、皆恨む所有り。志士は則ち義事の未だ立たざるを恨み、学士は則ち問い多くして及ばざるを恨み、農夫は則ち耕して未だ穀を畜えざるを恨み、商人は則ち貨財の未だ殖えざるを恨み、仕うる者は則ち官位の未だ極まらざるを恨み、勇者は則ち材の未だ優れざるを恨む。天下に各おの欲する所有るか、然り而して各おの恨む所有り。

現代語訳

だいたい人が死ぬときは、誰にでも心残りがあります。志ある人は正義の事業がまだ成っていないことを悔やみ、学ぶ人は問いが多いのに学びが及ばなかったことを悔やみ、農夫は耕しても穀物をまだ蓄えていないことを悔やみ、商人は財貨がまだ殖えていないことを悔やみ、役人は官位がまだ極まらないことを悔やみ、勇者は才能がまだ人に優れていないことを悔やみます。世の人にはそれぞれ望むものがあるのでしょう、だからそれぞれに心残りがあるのです。

解説

荀偃は死んでも目を閉じなかったので、斉の征伐を遂げられなかった恨みのためだと言われました。王充はこれを死者の魂の訴えとは見ず、病のためと退けたうえで、人は皆それぞれの心残りを持って死ぬのだと述べます。『論衡』は霊の存在を否定する書で、この句は人の願いの多様さを冷静に見ています。職種ごとに悔いの形が違うという指摘は、部下一人ひとりの志向を読み取る際にも通じます。望むものが人ごとに違うなら、動機づけも一律にはできません。
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この章句が説くこと

心残り志士学士商人願望多様性

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