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論衡 / 『論衡』齊世篇第五十六・盛衰が生む弊害

夫器業變易、性行不異。然而有質朴文薄之語者、世有盛衰、衰極久有弊也。譬猶衣食之於人也、初成鮮完、始熟香潔、少久穿敗、連日臭茹矣。

新字:夫器業変易、性行不異。然而有質朴文薄之語者、世有盛衰、衰極久有弊也。譬猶衣食之於人也、初成鮮完、始熟香潔、少久穿敗、連日臭茹矣。

書き下し

夫れ器業は変易すれども、性行は異ならず。然り而して質朴・文薄の語有る者は、世に盛衰有りて、衰え極まり久しければ弊有ればなり。譬えば猶お衣食の人に於けるがごとし。初めて成れば鮮かに完く、始めて熟すれば香り潔し。少しく久しければ穿ち敗れ、日を連ぬれば臭茹たり。

現代語訳

道具や仕事の形は移り変わっても、人の性や行いに違いはありません。それでも素朴だとか軽薄だとかの言い方があるのは、世に盛んな時と衰える時があり、衰えが極まって久しくなると弊害が出るからです。たとえば、衣や食べ物が人にとってどうであるかに似ています。できたばかりの衣は鮮やかで傷みがなく、炊きたての飯は香りよく清潔です。しかし少し時がたてば衣はほころびて破れ、日が重なれば飯は臭くなり傷んでしまいます。

解説

王充は、昔の人は素朴で今の人は軽薄だという通説を退けます。人の性は昔も今も同じで、違って見えるのは世の盛衰がもたらす弊害だというのです。『論衡』は後漢の王充が俗説を批判した書で、この前後で古今優劣論を崩しています。ここから、組織の劣化は人が悪くなったからではなく、続けるうちに弊が出るのだという見方を引き出せます。新しい制度も、衣や食べ物と同じく手入れをしなければ傷みます。「最近の若手は」と嘆く前に、仕組みの古びを疑ってみる視点です。
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この章句が説くこと

質朴文薄盛衰性行不異衣食弊古今

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