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論衡 / 『論衡』感虛篇第十九・名声が偶然を手柄に変える

夫如是、蝗蟲適不入界、卓公賢名稱於世、世則謂之能卻蝗蟲矣。何以驗之?夫蝗之集於野、非能普博盡蔽地也、往往積聚多少有處。

新字:夫如是、蝗虫適不入界、卓公賢名称於世、世則謂之能却蝗虫矣。何以験之?夫蝗之集於野、非能普博尽蔽地也、往往積聚多少有処。

書き下し

夫れ是くの如くんば、蝗蟲の適たま界に入らざるに、卓公の賢名世に称せられ、世は則ち之を能く蝗蟲を却くと謂う。何を以て之を験せん。夫れ蝗の野に集まるは、能く普く博く地を尽く蔽うに非ず、往往にして積聚するに多少の処有り。

現代語訳

そういうわけで、蝗がたまたま県境に入らなかっただけなのに、卓公の賢いという評判が世に知られていたので、世間は卓公が蝗を退けたと言うのです。どうやってそれを確かめるのでしょうか。蝗が野に集まるときも、あまねく地を覆い尽くすのではなく、所々に集まって、多い所と少ない所の偏りができるからです。

解説

南陽の卓公が緱氏の県令だったとき、蝗が県に入らなかったという世評がありました。賢く誠実な人の感化に虫が従ったのだと言われますが、王充は信じません。蝗はもともと一面を覆うのではなく、場所により多い少ないの偏りがあるので、たまたま来なかっただけだというのです。評判の高い人の功に結びつけられた、偶然の偏りです。成果の因果を見るときは、名のある人の手柄にしたがる癖に気をつけたいものです。数字が良いのは本人の徳か、偏りか、比較して確かめます。
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この章句が説くこと

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