導師導古典を学びたいすべての人に

論語と算盤 / 算盤と権利・仁に当つては師に譲らず

独り此の一句ばかりでなく、広く論語の各章を渉猟すれば、これに類した言葉は尚ほ沢山に見出すことが出来るのである。

書き下し

独りこの一句ばかりでなく、広く論語の各章を渉猟すれば、これに類した言葉はなおたくさんに見出すことが出来るのである。

現代語訳

この一句だけでなく、広く論語の各章を読み渡れば、これに類した言葉はまだたくさん見出すことができるのである。

解説

章の結びの一文である。「この一句」とは、この章で掲げた「仁に当つては師に譲らず」(論語衛霊公篇)を指す。道理の正しいところでは師にすら譲らなくてよいというこの句に、渋沢は論語の権利観念の証拠を見た。そして、それは一句に限らないと言い添える。たとえば論語には「三軍も帥を奪ふべきなり、匹夫も志を奪ふべからざるなり」(子罕篇)という句もあり、一人の人間の志は大軍の力でも奪えないとする。「義を見て為さざるは勇無きなり」(為政篇)という句も、正しいと信じることを貫く主体を前提にしている。渋沢の言う権利とは、法律上の請求権というより、道理に立って自分の主張を通す人格の強さのことである。論語を服従の書と見るか、主体の書と見るかで、読み方は大きく変わる。渋沢は後者の読み方を示して章を閉じている。

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る