導師導古典を学びたいすべての人に

楽訓 / 巻之上・総論

一淸福は、いとまありて身やすく、貧賤にしてうれひ無きを云ふ。書を讀んで、古の道にたどたどしからず、また山水月花の樂あり、是財利の富饒なる福にまされり。或は靜室に安坐し、書を讀み道を樂み、又良友に對して、道を論じ、同じく風月を賞する、是淸福のいとすぐれたる樂なり。

新字:一清福は、いとまありて身やすく、貧賤にしてうれひ無きを云ふ。書を読んで、古の道にたどたどしからず、また山水月花の楽あり、是財利の富饒なる福にまされり。或は静室に安坐し、書を読み道を楽み、又良友に対して、道を論じ、同じく風月を賞する、是清福のいとすぐれたる楽なり。

書き下し

一清福は、いとまありて身やすく、貧賤にしてうれひ無きを云ふ。書を読んで、古の道にたどたどしからず、また山水月花の楽あり、是財利の富饒なる福にまされり。或は静室に安坐し、書を読み道を楽み、又良友に対して、道を論じ、同じく風月を賞する、是清福のいとすぐれたる楽なり。

現代語訳

清福とは、暇があって身が安らかで、貧賤であっても憂いのないことを言います。書を読んで昔の道にたどたどしくなく、また山水月花の楽しみがあります。これは財利の富の福にまさっています。あるいは静かな部屋に落ち着いて座り、書を読み道を楽しみ、また良い友と向き合って道を論じ、共に風月を賞する、これが清福の中でもとりわけ優れた楽しみです。

解説

前条までの清福の説明を短くまとめた一条です。暇と身の安らかさ、貧しくても憂いのないこと、書を読んで道に通じ、山水月花を楽しむこと、そして良い友と道を語り風月を賞すること。益軒はこれらを財利の富にまさる福と位置づけます。福岡藩の儒者として勤めた益軒は、晩年に職を退いてから、まさにこのような生活の中で多くの著作を残しました。仕事を離れた後の暮らしを考えるうえでも、参考になる生き方の見本です。

この章句が説くこと

清福読書友閑富

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る