楽訓 / 巻之上・総論
一此の故に、天の道にしたがひ、人の道を行ひて、みづから樂み、人を樂ましめんことは、つねに善を行ひ、惡を去るを以て、わざとすべし。かくの如くにせん事は、べちの務なし。唯聖の道をまなんで、其理を知るべし。
新字:一此の故に、天の道にしたがひ、人の道を行ひて、みづから楽み、人を楽ましめんことは、つねに善を行ひ、悪を去るを以て、わざとすべし。かくの如くにせん事は、べちの務なし。唯聖の道をまなんで、其理を知るべし。
書き下し
一此の故に、天の道にしたがひ、人の道を行ひて、みづから楽み、人を楽ましめんことは、つねに善を行ひ、悪を去るを以て、わざとすべし。かくの如くにせん事は、べちの務なし。唯聖の道をまなんで、其理を知るべし。
現代語訳
このように、天の道に従い人の道を行って、自ら楽しみ人を楽しませようとするなら、常に善を行い悪を去ることを自分の務めとすべきです。そのようにするのに特別な務めはありません。ただ聖人の道を学んで、その理を知るべきです。
解説
前の条までをまとめて、益軒は楽しみを得る方法を簡潔に示します。特別な修行は要らず、善を行い悪を去ることを日々の務めとし、そのために聖人の道を学んで道理を知ればよいというのです。益軒は学問を難しいものではなく、日常の行いを正すための手がかりと考えていました。何か大きなことをしなくても、今日一つの善を行い、一つの悪い習慣をやめることが、楽しい人生への一番の近道だと言えるでしょう。
この章句が説くこと
善学問楽しみ天の道聖人
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