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礼記 / 喪服四制

杖者何也?爵也。三日授子杖,五日授大夫杖,七日授士杖。或曰擔主,或曰輔病,婦人童子不杖,不能病也。百官備,百物具,不言而事行者,扶而起;言而後事行者,杖而起;身自執事而後行者,面垢而已。禿者不髽,傴者不袒,跛者不踴,老病不止酒肉。凡此八者,以權制者也。

新字:杖者何也?爵也。三日授子杖,五日授大夫杖,七日授士杖。或曰担主,或曰輔病,婦人童子不杖,不能病也。百官備,百物具,不言而事行者,扶而起;言而後事行者,杖而起;身自執事而後行者,面垢而已。禿者不髽,傴者不袒,跛者不踴,老病不止酒肉。凡此八者,以権制者也。

書き下し

杖(つえ)なる者は何ぞや。爵なり。三日にして子に杖を授け、五日にして大夫に杖を授け、七日にして士に杖を授く。或いは曰く、主に擔(あた)うと。或いは曰く、病を輔くと。婦人・童子の杖つかざるは、病む能わざればなり。百官備わり、百物具わり、言わずして事行わるる者は、扶けられて起つ。言いて而る後に事行わるる者は、杖つきて起つ。身自ら事を執りて而る後に行わるる者は、面垢(めんこう)するのみ。禿(とく)者は髽(さ)せず、傴(う)者は袒(たん)せず、跛(は)者は踴(よう)せず、老病は酒肉を止めず。凡そ此の八者は、権を以て制する者なり。

現代語訳

喪に杖を用いるのはなぜか。爵位のある者の印だからである。君主が亡くなって三日目に嗣子に杖を授け、五日目に大夫に杖を授け、七日目に士に杖を授ける。ある説では、爵位がなくても喪主となる者に仮に杖を与えるのだといい、ある説では、悲しみで病んだ体を助けるためだという。婦人と子どもが杖をつかないのは、病むほどに悲しみを尽くすことができないからである。多くの役人がそろい、あらゆる物が備わって、何も言わなくても事が運ぶ天子や諸侯は、人に支えられて立ち上がる。言いつけてからようやく事が運ぶ大夫や士は、杖をついて立ち上がる。自分で事に当たってからでないと事が運ばない庶民は、顔を垢じみたままにしておくだけである。髪の抜けた者は髽(さ、婦人が喪で結う麻の髷)を結わず、背の曲がった者は袒(たん、肩をあらわにすること)をせず、足の不自由な者は踴(よう、悲しみに地を踏んで跳ぶこと)をせず、老人と病人は酒や肉を断たない。およそこの八つは、権(臨機の判断)によって定めたものである。

解説

四制のうち権制を説く段である。喪の杖はもともと爵ある者の印であり、嗣子・大夫・士の順に日を追って授けられる。孔穎達の疏は、「擔主」「輔病」がともに『儀礼』喪服伝の言葉であり、爵がなくても喪主には仮に杖を与え、喪主でなくとも病を支えるために杖をつくのだと説いている。続いて身分により、扶けられて起つ者、杖で起つ者、顔を垢じみさせるだけの者が分けられる。さらに禿・傴・跛・老病の者には、髽・袒・踴・酒肉の禁といった規定を免除する。これら八つが権すなわち臨機の判断による制である。礼は一律に押しつけるものではなく、その人の立場や体の事情に応じて緩めることも礼の一部だという考え方は、規則を人に合わせて運用する柔軟さの大切さを教えている。

この章句が説くこと

礼記喪服四制権杖柔軟

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