礼記 / 喪服四制
其恩厚者,其服重,故為父斬衰三年,以恩制者也。門內之治,恩揜義;門外之治,義斷恩。資於事父以事君,而敬同,貴貴尊尊,義之大者也。故為君亦斬衰三年,以義制者也。
新字:其恩厚者,其服重,故為父斬衰三年,以恩制者也。門内之治,恩揜義;門外之治,義断恩。資於事父以事君,而敬同,貴貴尊尊,義之大者也。故為君亦斬衰三年,以義制者也。
書き下し
其の恩厚き者は、其の服重し。故に父の為に斬衰(ざんさい)三年なるは、恩を以て制する者なり。門内の治は、恩、義を揜(おお)い、門外の治は、義、恩を断つ。父に事うるに資(と)りて以て君に事えて、敬同じ。貴を貴び尊を尊ぶは、義の大なる者なり。故に君の為にも亦斬衰三年なるは、義を以て制する者なり。
現代語訳
恩の厚い相手ほど、その喪服は重い。だから父のために斬衰(ざんさい、裾を縫わない最も重い喪服)を三年着るのは、恩によって定めたものである。家の門の内の治めでは、恩が義を覆い、門の外の治めでは、義が恩を断つ。父に仕える道を取って君主に仕え、その敬いは父に対するのと同じである。貴い者を貴び、尊い者を尊ぶことは、義の中でも大いなるものである。だから君主のためにもまた斬衰を三年着るのは、義によって定めたものである。
解説
四制のうち恩制と義制を説く段である。恩の厚さに応じて喪服を重くするのが恩制で、その最たるものが父のための斬衰三年である。一方、君主と臣下は血のつながりがないのに、君主のためにも同じ斬衰三年を服する。その根拠が義制で、父に仕える敬いをそのまま君主に移すことから導かれる。鄭玄は「資」を操る、すなわちその道を取って持つことと注し、「貴貴」は大夫を君とする場合、「尊尊」は天子諸侯を君とする場合だと説いている。「門内の治は恩、義を揜い、門外の治は義、恩を断つ」は名高い句で、家の中では情が優先され、公の場では道義が私情を断つという、私と公の原理の使い分けを示している。家庭と職場とで判断の基準を切り替えることの難しさは、今も誰もが日々直面している問題である。
この章句が説くこと
礼記喪服四制斬衰恩義
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