礼記 / 奔喪
無服而為位者,唯嫂叔及婦人降而無服者麻。 凡奔喪,有大夫至,袒,拜之,成踴而後襲;於士,襲而後拜之。
新字:無服而為位者,唯嫂叔及婦人降而無服者麻。 凡奔喪,有大夫至,袒,拝之,成踴而後襲;於士,襲而後拝之。
書き下し
服無くして位を為る者は、唯だ嫂叔(そうしゅく)及び婦人の降りて服無き者のみ麻す。 凡そ奔喪するに、大夫の至る有れば、袒してこれを拝し、踊を成して後に襲す。士に於いては、襲して後にこれを拝す。
現代語訳
喪服を着けるべき関係にないのに位を設けて哭く者のうち、麻(あさ、麻の帯)を着けるのは、嫂(あによめ)と夫の弟との間柄の者、および嫁いだために喪服の等級が下がって服のなくなった婦人だけである。 およそ奔喪して喪に服しているとき、大夫が弔いに来れば、袒したままこれを拝し、踊を行ってから衣を着直す。士が来た場合は、衣を着直してから拝する。
解説
奔喪篇の結びの段である。前半は、喪服を着る関係にない者が哭する場合の例外を定める。古礼では嫂と夫の弟との間には喪服がなく、檀弓上篇にも「嫂叔の服無きや、蓋し推して遠ざくるなり」とある。男女の別を重んじて、あえて距離を置いたのである。また嫁いだ女性は実家の親族に対する喪服の等級が下がり、服がなくなる場合がある。それでもこれらの人々は、同じ家に暮らし、あるいは血を分けた間柄であるから、麻の帯だけは着けて哭くことを許す。制度上は服がなくても、実際の情の近さを無視しないための配慮である。後半は弔問客の身分による応対の違いで、大夫が来れば袒したまま拝し、踊をしてから衣を着直すが、士が来れば衣を着直してから拝する。尊い客には悲しみの姿のまま急いで礼を尽くすのである。制度が認める関係と、実際に生活を共にした情の深さとは必ずしも一致しない。義理の家族や血縁のない同居人の死をどう悼むかを考えるとき、この段の配慮は今も示唆を与えてくれる。
この章句が説くこと
礼記奔喪喪服嫂叔情
関連する章句
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礼記・奔喪奔喪する者主人に非ざれば、則ち主人これが為に賓を拝し賓を送る。奔喪する者齊衰(しさい)より以下は、門に入りて左し、中庭にて北面して哭して哀しみを尽くし、序の東に免麻(ぶんま)して、位に即きて袒し、主人と哭して踊を成す。又哭・三哭に於いては皆免袒す。賓有れば、則ち主人賓を拝し賓を送る。丈夫・婦人のこれを待つや、皆朝夕の哭の如くし、位変わること無し。
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礼記・奔喪凡そ位を為(つく)るに、親の喪に非ずして、齊衰より以下は、皆位に即きて哭して哀しみを尽くし、東して免絰(ぶんてつ)し、位に即きて、袒し、踊を成し、襲し、賓を拝して位に反り、哭して踊を成し、賓を送りて位に反り、相者次に就くを告ぐ。三日に五哭して卒(お)われば、主人出でて賓を送り、為主人・兄弟皆門を出で、哭止み、相者事畢わるを告ぐ。服を成して賓を拝す。若し位を為る所の家遠ければ、則ち服を成して往く。
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礼記・奔喪母の喪に奔(はし)るには、西面して哭して哀しみを尽くし、括髪して袒し、堂を降りて東して位に即き、西郷して哭し、踊を成し、序の東に襲して免絰(ぶんてつ)し、賓を拝し賓を送ること、皆父に奔るの礼の如くす。又哭に於いては括髪せず。 婦人の喪に奔るは、東階より升り、殯の東にて西面して坐し、哭して哀しみを尽くし、東して髽(さ)し、位に即き、主人と拾踴(しゅうよう)す。
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礼記・奔喪齊衰(しさい)以下殯に及ばざれば、先ず墓に之き、西面して哭して哀しみを尽くし、東方に免麻(ぶんま)し、位に即き、主人と哭して踊を成し、襲す。賓有れば、則ち主人賓を拝し、賓を送る。賓の後れて至る者有れば、これを拝すること初めの如くす。相者事畢わるを告ぐ。遂に冠して帰り、門に入りて左し、北面して哭して哀しみを尽くし、免袒して踊を成し、東して位に即き、賓を拝して踊を成す。賓出づれば、主人拝して送る。又哭に於いては、免袒して踊を成し、三哭に於いても、猶免袒して踊を成す。三日にして服を成し、五哭に於いて、相者事畢わるを告ぐ。
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礼記・喪服小記父の喪に奔(はし)るには、括髪(かっぱつ)を堂上にし、袒(たん)して降りて踊(よう)し、襲して東方に絰す。母の喪に奔るには、括髪せず、堂上に袒し、降りて踊し、襲して東方に免す。絰して位に即き踊を成し、門を出でて哭止む。三日にして五たび哭し三たび袒す。適婦の舅の後たらざる者には、則ち姑之が為に小功す。
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礼記・雑記上兄弟の喪を聞けば、大功以上は、喪者の郷を見て哭す。兄弟の送葬に適(ゆ)きて及ばず、主人に道に遇えば、則ち遂にこれ墓に之く。凡そ兄弟の喪を主るは、疏しと雖も亦たこれを虞す。 凡そ喪服未だ畢らざるに、吊する者有れば、則ち位を為して哭拝踊す。大夫の大夫を哭するは、弁絰(べんてつ)す。大夫殯に与(あずか)るも、亦た弁絰す。大夫、私喪の葛有りて、則ちその兄弟の軽喪に於いては、則ち弁絰す。
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