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礼記 / 坊記

子云:「善則稱親,過則稱己,則民作孝。《大誓》曰:『予克紂,非予武,惟朕文考無罪;紂克予,非朕文考有罪,惟予小子無良。』」 子云:「君子弛其親之過,而敬其美。《論語》曰:『三年無改於父之道,可謂孝矣。』高宗云:『三年其惟不言,言乃讙。』」

新字:子云:「善則称親,過則称己,則民作孝。《大誓》曰:『予克紂,非予武,惟朕文考無罪;紂克予,非朕文考有罪,惟予小子無良。』」 子云:「君子弛其親之過,而敬其美。《論語》曰:『三年無改於父之道,可謂孝矣。』高宗云:『三年其惟不言,言乃讙。』」

書き下し

子云う、「善は則ち親に称し、過ちは則ち己に称すれば、則ち民孝を作す。《大誓》に曰く、『予紂に克つは、予が武に非ず、惟れ朕が文考罪無ければなり。紂予に克たば、朕が文考罪有るに非ず、惟れ予小子良無ければなり』と」。 子云う、「君子は其の親の過ちを弛(す)てて、其の美を敬す。《論語》に曰く、『三年父の道を改むること無きは、孝と謂うべし』と。高宗云う、『三年其れ惟れ言わず、言えば乃ち讙(よろこ)ぶ』と」。

現代語訳

孔子は言った。「よいことは親の手柄とし、過ちは自分の責任とすれば、民は孝を尽くすようになる。『大誓』(泰誓、『尚書』の篇名)に『私が紂に勝つとすれば、それは私の武勇によるのではなく、わが亡き父文王に罪がなかった(徳があった)からである。紂が私に勝つとすれば、それはわが亡き父文王に罪があったからではなく、ただこの私に善いところがなかったからである』とある」。 孔子は言った。「君子は親の過ちを心にとどめず忘れ去り、親の美点を敬う。『論語』に『三年のあいだ父のやり方を改めないのは、孝といってよい』とある。高宗(殷の王武丁)は『三年のあいだ政を語らず、ひとたび語れば天下が喜んだ』という」。

解説

功を親に帰し、過ちを自らに帰すことが孝であると説く段である。引かれる『大誓』の言葉は、武王が紂を討つにあたって衆に誓った辞で、勝てば父文王の徳のおかげ、負ければ自分の不徳のせいと言う。鄭玄は、当時の『大誓』にはこの章がなく、篇が散逸したためだと注している。後半の「弛」について鄭玄は、棄て忘れることで、孝子は父母の過ちを心に蔵して覚えておかないと解した。『論語』の「三年父の道を改むること無し」が引かれるのは、親の過ちをあげつらって自分の善を示すことをしないという意味においてである。高宗は殷の王武丁で、父小乙の喪に服する三年のあいだ政を語らず、喪が明けて語ると天下が喜んだという。『論語』憲問篇にも高宗が三年ものを言わなかったことが見える。親の欠点を責めるより長所を受け継ぐという姿勢は、前任者から仕事を引き継ぐときにも生きる知恵である。

この章句が説くこと

礼記坊記孝親論語

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