礼記 / 雑記下
女雖未許嫁,年二十而笄,禮之,婦人執其禮。燕則鬈首。 韠:長三尺,下廣二尺,上廣一尺。會去上五寸,紕以爵韋六寸,不至下五寸。純以素,紃以五采。
新字:女雖未許嫁,年二十而笄,礼之,婦人執其礼。燕則鬈首。 韠:長三尺,下広二尺,上広一尺。会去上五寸,紕以爵韋六寸,不至下五寸。純以素,紃以五采。
書き下し
女は未だ嫁を許さずと雖も、年二十にして笄(けい)し、これを礼す。婦人その礼を執る。燕(くつろ)げば則ち鬈首(けんしゅ)す。 韠(ひつ)は、長さ三尺、下の広さ二尺、上の広さ一尺。会は上を去ること五寸、紕(ひ)するに爵韋(しゃくい)六寸を以てし、下に至らざること五寸。純(ふち)するに素を以てし、紃(じゅん)するに五采を以てす。
現代語訳
女子は、まだ嫁ぐ約束が決まっていなくても、二十歳になれば笄(こうがい)を挿して髪を結い上げる成人の礼を行う。その儀式は婦人が執り行う。成人の儀が終わって普段の生活に戻れば、また髪を分けて子どもの髪型に戻す。 韠(ひざかけ、礼服の前に垂らす革の飾り)は、長さ三尺、下の幅二尺、上の幅一尺である。上端の縫い合わせ(会)は上から五寸の所に設け、赤黒い革(爵韋)六寸で両脇に縁取り(紕)をし、それは下端まで五寸を残して止める。下端の縁(純)は白い生絹でかがり、縫い目には五色の組紐(紃)を施す。
解説
雑記下篇の結びにあたる段で、女子の成人の礼と、礼服の付属品である韠の寸法を記す。女子は婚約が決まれば十五で笄を挿すのが通例とされるが、ここでは婚約が無くとも二十になれば笄の礼を行うと定める。成人を結婚に従属させず、年齢そのものを節目として祝う考えがうかがえる。鄭玄は、この場合の儀式は婦人が主となって行い、普段はまた子どもの髪型に戻ると読んでいる。後半の韠の規定は、尺寸と材料と色を細かく並べた純粋な服制の記事である。雑記という篇名のとおり、人生の節目の礼と器物の寸法とが同じ筆で並んでいるところに、礼が暮らしの細部まで行き渡っていたことが見える。人は節目を形で示されることで、自分が大人になったことを知る。形に残す節目を、私たちはどれほど持っているだろうか。
この章句が説くこと
礼記成人笄服制雑記
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