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礼記 / 喪大記

疾病,外內皆掃。君大夫徹縣,士去琴瑟。寢東首於北牖下。廢床。徹褻衣,加新衣,體一人。男女改服。屬纊以俟絕氣。男子不死於婦人之手,婦人不死於男子之手。君夫人卒於路寢,大夫世婦卒於適寢,內子未命,則死於下室。遷尸於寢,士士之妻皆死於寢。

新字:疾病,外内皆掃。君大夫徹県,士去琴瑟。寝東首於北牖下。廃床。徹褻衣,加新衣,体一人。男女改服。属纊以俟絶気。男子不死於婦人之手,婦人不死於男子之手。君夫人卒於路寝,大夫世婦卒於適寝,内子未命,則死於下室。遷尸於寝,士士之妻皆死於寝。

書き下し

疾(やまい)病(へい)すれば、外内皆掃(はら)う。君・大夫は県(けん)を徹し、士は琴瑟を去る。北牖(ほくゆう)の下に寝ね東首す。床を廃す。褻衣(せつい)を徹し、新衣を加え、体に一人。男女服を改む。纊(こう)を属(つ)けて以て気の絶ゆるを俟つ。男子は婦人の手に死せず、婦人は男子の手に死せず。君・夫人は路寝に卒し、大夫・世婦は適寝に卒し、内子未だ命ぜられざれば、則ち下室に死す。尸(し)を寝に遷す。士・士の妻は皆寝に死す。

現代語訳

病が重くなると、家の内外をすべて掃き清める。君と大夫は懸けてある鐘や磬(けい)などの楽器を取り外し、士は琴や瑟(おおごと)を片づける。病人は北の窓の下に、頭を東に向けて寝かせる。寝台を取り除いて床に寝かせる。普段着を脱がせて新しい衣を着せ、手足それぞれに一人ずつ付いて支える。看病する男女も服を改める。真綿を口と鼻の上に置いて、息が絶えるのを見守る。男子は婦人の手の中で死なず、婦人は男子の手の中で死なない。君と夫人は路寝(正殿)で亡くなり、大夫と世婦(君の側室の位)は適寝(正寝)で亡くなる。卿の妻(内子)でまだ君から命服を賜っていない者は、下室(脇の居室)で亡くなる。亡くなった後は遺体を正寝に移す。士とその妻は、いずれも正寝で亡くなる。

解説

喪大記篇は、君・大夫・士の身分に応じた喪礼を、臨終から埋葬まで順を追って記した篇である。その冒頭は臨終の場面から始まる。家を掃き清め、楽器を片づけるのは、鄭玄注によれば音が病人を動かすので静けさを保つためである。寝台を取り除いて床に寝かせるのは、人は生まれたとき地にあったので、地に戻して生気が還ることを願うのだと注される。新しい衣を着せるのは、君子は最期を正しい姿で迎えるという考えによる。真綿を口鼻に置いて息の絶えるのを確かめる「属纊」は、臨終を意味する語として後世にも残った。男女が互いの手の中で死なないとするのは、最期の場面を狎れたものにしないためと注される。論語郷党篇にも、病のとき君の見舞いを受けて東首し朝服を加えた孔子の姿がある。看取りの形が整えられているのは、死にゆく人の尊厳と、残る者の心の備えのためである。

この章句が説くこと

礼記喪大記臨終看取り属纊

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