導師導古典を学びたいすべての人に

礼記 / 雑記下

嫂不撫叔,叔不撫嫂。 君子有三患:未之聞,患弗得聞也;既聞之,患弗得學也;既學之,患弗能行也。君子有五恥:居其位,無其言,君子恥之;有其言,無其行,君子恥之;既得之而又失之,君子恥之;地有餘而民不足,君子恥之;眾寡均而倍焉,君子恥之。

新字:嫂不撫叔,叔不撫嫂。 君子有三患:未之聞,患弗得聞也;既聞之,患弗得学也;既学之,患弗能行也。君子有五恥:居其位,無其言,君子恥之;有其言,無其行,君子恥之;既得之而又失之,君子恥之;地有余而民不足,君子恥之;衆寡均而倍焉,君子恥之。

書き下し

嫂(そう)は叔を撫せず、叔は嫂を撫せず。 君子に三患有り。未だこれを聞かざれば、聞くを得ざるを患う。既にこれを聞けば、学ぶを得ざるを患う。既にこれを学べば、行う能わざるを患う。君子に五恥有り。その位に居りて、その言無きは、君子これを恥ず。その言有りて、その行無きは、君子これを恥ず。既にこれを得て又これを失うは、君子これを恥ず。地余り有りて民足らざるは、君子これを恥ず。衆寡均しくして倍するは、君子これを恥ず。

現代語訳

兄嫁は夫の弟の遺体をなでて悼むことはせず、夫の弟は兄嫁の遺体をなでて悼むことはしない。 君子には三つの憂いがある。まだ聞いていないことについては、聞くことができないのを憂える。聞いたことについては、学ぶことができないのを憂える。学んだことについては、実行できないのを憂える。君子には五つの恥がある。その地位にありながら、それにふさわしい言葉(政策や提言)がないことを、君子は恥じる。言葉はあってもそれに見合う行いがないことを、君子は恥じる。一度得たものをまた失うことを、君子は恥じる。土地には余裕があるのに民が足りないことを、君子は恥じる。使う民の数は同じなのに、他人の功績が自分の倍もあることを、君子は恥じる。

解説

冒頭の一文は、兄嫁と夫の弟が互いの遺体をなでないという喪礼の規定で、鄭玄は男女の別を遠ざけるためと注している。続く「三患」「五恥」は、喪礼の篇の中に置かれた修養と為政の格言で、雑記の雑多な性格をよく示している。三患は、聞く・学ぶ・行うの三段階にそれぞれ憂いがあるとし、知ることより行うことに最後の重みを置く。五恥について孔穎達は、この君子は位にある君子を指すと説く。地位にありながら言うべきことがなく、言っても行わず、得たものを失い、土地があるのに民を集められず、同じ人数を使いながら他人の半分の成果しか上げられない。鄭玄は最後の恥を、役に使う人数が等しいのに相手の功が自分の倍であることと注している。肩書に見合う発言と実行と結果があるか。管理職やリーダーが自らに問うべき項目として、今もそのまま使える。

この章句が説くこと

礼記雑記三患五恥君子

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る