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礼記 / 少儀

毋拔來,毋報往,毋瀆神,毋循枉,毋測未至。士依於德,游於藝;工依於法,游於說。毋訾衣服成器,毋身質言語。言語之美,穆穆皇皇;朝廷之美,濟濟翔翔;祭祀之美,齊齊皇皇;車馬之美,匪匪翼翼;鸞和之美,肅肅雍雍。問國君之子長幼,長,則曰:「能從社稷之事矣」;幼,則曰:「能御」,「未能御」。問大夫之子長幼,長,則曰:「能從樂人之事矣」;幼,則曰:「能正於樂人」,「未能正於樂人」。問士之子長幼,長,則曰:「能耕矣」;幼,則曰:「能負薪」、「未能負薪」。執玉執龜策不趨,堂上不趨,城上不趨。武車不式;介者不拜。

新字:毋抜来,毋報往,毋瀆神,毋循枉,毋測未至。士依於徳,游於芸;工依於法,游於説。毋訾衣服成器,毋身質言語。言語之美,穆穆皇皇;朝廷之美,済済翔翔;祭祀之美,斉斉皇皇;車馬之美,匪匪翼翼;鸞和之美,粛粛雍雍。問国君之子長幼,長,則曰:「能従社稷之事矣」;幼,則曰:「能御」,「未能御」。問大夫之子長幼,長,則曰:「能従楽人之事矣」;幼,則曰:「能正於楽人」,「未能正於楽人」。問士之子長幼,長,則曰:「能耕矣」;幼,則曰:「能負薪」、「未能負薪」。執玉執亀策不趨,堂上不趨,城上不趨。武車不式;介者不拝。

書き下し

抜来(ばつらい)すること毋かれ、報往(ふおう)すること毋かれ、神を瀆(けが)すこと毋かれ、枉(まが)れるに循(したが)うこと毋かれ、未だ至らざるを測ること毋かれ。士は徳に依り、芸に游ぶ。工は法に依り、説に游ぶ。衣服成器を訾(はか)ること毋かれ、身ずから言語を質(な)すこと毋かれ。言語の美は、穆穆皇皇(ぼくぼくこうこう)。朝廷の美は、済済翔翔(せいせいしょうしょう)。祭祀の美は、斉斉皇皇。車馬の美は、匪匪翼翼(ひひよくよく)。鸞和(らんか)の美は、粛粛雍雍(しゅくしゅくようよう)。国君の子の長幼を問うに、長ずれば、則ち「能く社稷の事に従えり」と曰い、幼なれば、則ち「能く御す」「未だ御すること能わず」と曰う。大夫の子の長幼を問うに、長ずれば、則ち「能く楽人の事に従えり」と曰い、幼なれば、則ち「能く楽人に正さる」「未だ楽人に正さるること能わず」と曰う。士の子の長幼を問うに、長ずれば、則ち「能く耕せり」と曰い、幼なれば、則ち「能く薪を負う」「未だ薪を負うこと能わず」と曰う。玉を執り亀策を執るには趨らず、堂上には趨らず、城上には趨らず。武車には式せず、介者は拝せず。

現代語訳

にわかに来たり、にわかに去ったりしてはならない。神をけがしてはならない。誤ったやり方に従ってはならない。まだ起きていないことを当て推量してはならない。士は徳に拠り所を置き、六芸(りくげい、礼・楽・射・御・書・数)に心を遊ばせる。職人は定めの寸法に拠り所を置き、その加減の工夫に心を遊ばせる。人の衣服や出来上がった器物をあれこれ値踏みしてはならない。聞いた疑わしい話を、自分で確かなことのように断定して伝えてはならない。ことばの美しさは、穏やかで堂々としていることにある。朝廷の美しさは、威儀正しくのびやかなことにある。祭祀の美しさは、慎み深く心を尽くしていることにある。車馬の美しさは、馬が絶えず進み、整然と連なっていることにある。車の鈴の美しさは、澄んで和やかに響き合うことにある。国君の子の年を尋ねられて、年長であれば「国家の務めに従えるようになりました」と答え、幼ければ「家の事を取り仕切れます」あるいは「まだ取り仕切れません」と答える。大夫の子の年を尋ねられて、年長であれば「楽人の務めに従えるようになりました」と答え、幼ければ「楽人の教えを受けられます」あるいは「まだ楽人の教えを受けられません」と答える。士の子の年を尋ねられて、年長であれば「耕せるようになりました」と答え、幼ければ「薪を背負えます」あるいは「まだ薪を背負えません」と答える。玉や亀甲・筮竹を手に持っているときは小走りしない。堂の上では小走りしない。城壁の上では小走りしない。兵車の上では式(しょく、車上の敬礼)をしない。鎧を着た者は拝礼をしない。

解説

日々の振る舞いの戒めを連ね、場面ごとの美しさを対句で示し、子の年齢の答え方を身分ごとに定める段である。冒頭の五つの「毋かれ」のうち、にわかに来たり去ったりするなという戒めについて、鄭玄は人の往来にはふだんから段取りがあるべきで、突然であってはならないと注する。「未だ至らざるを測ること毋かれ」は、起きていないことを勝手に推し量るなという意で、根拠のない憶測を退ける。「士は徳に依り、芸に游ぶ」は、『論語』述而篇の「道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に游ぶ」と重なる句である。聞いた疑わしい話を自分で断定するなという「身ずから言語を質すこと毋かれ」は、鄭玄が疑わしいことは疑わしいまま伝えよと注するように、伝聞の扱いの心得である。噂話を断定して広めないという戒めは、情報があふれる今こそ重い。

この章句が説くこと

礼記少儀言語伝聞徳

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